VAIO S15がデザイン一新し登場。第8世代Core Hプロセッサーを採用し4K液晶も選択可能
 昨年から今年にかけて、積極的に新製品を投入しているVAIOは、15インチオールインワンノートPCの「VAIO S15」を発表しました。本日4月10日よりオンラインストアなどで予約を開始し、発売は4月19日になります。価格は税別11万9800円から。

S15はリピーターが多くパフォーマンス性を重視


▲新しいVAIO S15は、ブラックとシルバーの2色を用意

 VAIO S15は、デスクトップの置き換えとして、VAIOのモバイルシリーズでは搭載されないCore Hシリーズ・プロセッサーを採用してきました。VAIO S15の購入者アンケートによると、リピーターが多く、購入時に重視した点としてCPU性能やストレージの速度といったパフォーマンスを重視したユーザーに支持されてきました。

 また、選んだ理由としてデザインと答えたユーザーも多くありました。従来モデルはほかのSシリーズとはデザインが異なり、スタイリッシュというよりかは丸みのある優しいイメージの筐体でした。今回の刷新にあたっては、こういったユーザーの声を受け止め、さらなるパフォーマンス強化と新筐体設計によるVAIOらしさを追求したものになります。


▲左が従来のVAIO S15、右が新しいVAIO S15。キーボード面を見ただけでもだいぶ洗練された感じがある

 まず、パフォーマンス面では従来と同様、TDP45WのHプロセッサーを採用。Core i7では7700HQから8750Hへとなっています。モバイルPCではバッテリー駆動時間を伸ばすべくTDP15Wの8565UなどといったUプロセッサーを採用することが多いですが、パフォーマンス的にはかなり抑えられてしまっています。S15は据置きタイプということで、バッテリー駆動よりは電源駆動でパフォーマンスを発揮できる構成になっているわけです。

 今回のS15では、6コア/12スレッドのCore i7-8750H(2.2GHz/最大4.1GHz)と4コア/8スレッドのCore i5-8300H(2.3GHz/最大4GHz)の2つから選択できます。

▲「CINEBENCH R15」を従来モデルと比較すると約1.5倍のパフォーマンス(CPUの値で733cbと1147cb)。Core i7-8565U搭載モデルとCore i7-8750H搭載モデルを比較すると2倍以上の低能差があるとしている。

 最新CPUの使用電力が増加したため、19.5VのACアダプターへと刷新。従来のS15で使っていたアダプターの流用はできなくなりました。また、VAIOお得意のVAIO TruePerformanceによる性能アップは施されていません。すでにパフォーマンスが高いことと、消費電力がすでに高いことを考えると、そこまで追求する必要はないと判断したとのことです。


▲新しいACアダプターは、従来より大きくなっている

 また、グラフィックボードは搭載していませんが、Thunderbolt 3対応のUSB Type-C端子を搭載することで、GIGABYTE製の「AORUS RTX 2070 Gaming Box」を接続してグラフィックスの強化を可能にしています。


▲GIGABYTE製の「AORUS RTX 2070 Gaming Box」。電源や熱のためにこれ以上本体を厚くしないために、グラボは内蔵せずに外付けで利用するように

 メモリーは4GBから最大32GB、ストレージは第3世代ハイスピードSSD 1TBをはじめ5タイプ、HDDはハイブリッドタイプの1TBなど3タイプ用意され、SSDとHDDのデュアル構成も選択できます。

 ディスプレーは15.6インチ液晶で解像度はHD、フルHDに加え、UHD(3840×2160ドット/4K)が選択可能に。光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブのほかUHD BD対応のブルーレイディスク・ドライブが選べます。


▲ディスプレーは15.6インチでベゼル幅も狭くなっている


▲光学ドライブは、必要だというユーザーがまだまだ多いとか。使う使わないにかかわらず、いざというときにある安心感を求めているようだ

Sシリーズと同様のデザインに



 デザインは、Sシリーズと統一感のあるものに一新されました。チルトアップヒンジを採用し、手首への負担を軽減しキーボードも打ちやすい傾きになっています。


▲従来のS15(手前)と今回のS15。チルトアップヒンジにより、キーボード面が斜めになり打鍵しやすくなった


▲やはりこのチルトアップヒンジの機構がないとVAIOらしさがでない

 キーボードは、より打ちやすいようにフラットアルミパームレストと基盤により剛性感を確保し、キートップを挟むようにしています。キーボード面の剛性感が増したことで、キータッチは非常によくなりました。


▲フラットアルミパームレストは、ほかのSシリーズとは異なるとのこと。


▲キーボードは柔らかいが、パームレストと基盤と挟むことで剛性を高めたため、打鍵感もよくなっている

 ボディーサイズが約361.4(W)×254.3(D) ×22.0〜26.0(H)mmと従来よりひと回り小さくなり、重量は約2.25kgと250gほど軽くなっています。そのかわりキーピッチは、キーボード部分が19mm、テンキー部分が16mmと変則的になりましたが、キーストロークは1.5mmを確保しています。


▲下にあるのが従来のS15、上に乗っているのが今回のS15.一回り小さくなっている


▲キーボード部分は従来と変わらないピッチだが、テンキー部分は3mm狭められている。ただキレイな配置なので慣れれば問題ないはず

 タッチパッドは従来モデルより25%拡大。2本付きのWindows 10ジェスチャーに対応しています。また、指紋認証を搭載可能となり、家族で利用する際のログイン時の煩わしさを解消できます。

 モバイルPCという位置づけではないためLTEモジュールの搭載はできませんが、IEEE802.11ac対応のWi-Fiアンテナは、電波感度にこだわった液晶上部に搭載。モバイルPCとそん色ない仕様です。

 インターフェースは、先述のThunderbolt 3対応のUSB Type-C端子を搭載のほか、HDMI端子、VGA端子、LAN端子、USB3.0端子×3が備わっており、SDメモリーカードスロットを搭載していることは代わりありません。


▲上が左側面、下が右側面。USD Type-C端子は、USB Power Deliveryによる本体への充電は対応していない。これは消費電力が上がったため対応を見送っている

 個人的には、ほかのSシリーズとデザインが統一されたのが嬉しいですね。写真の現像や動画のエンコードを行ないたいユーザーにとって、パフォーマンスの高さと4K液晶を搭載した今回のVAIO S15は、自宅用として1台備えておきたいところです。