決勝ゴールを頭で叩き込んだ冨安は、守備でも好パフォーマンスを披露した。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 アジアカップの決勝トーナメント1回戦、サウジアラビアと対戦した日本は、20分にセットプレーのチャンスからもぎ奪った虎の子の1点を守り切り、ベスト8に駒を進めた。

 決勝ゴールが生まれたのはコーナーキックからだった。決めたのは188センチの長身を誇るCBの冨安健洋だ。

「相手もいままでの“ゾーン+マンツーマン”で守っていたところからマンツーマン(だけの守り方)に変えてきて、そこのギャップっていうのは生まれていたと思いますし、マンツーにしてはちょっとマークがゆるいと思ってたので、うまくマークを外すことができました。あとは、(柴崎)岳くんが練習から良いボール蹴ってくれていたんで、しっかりそこに合わせるだけでした」
 

 A代表での初得点のシーンを冷静に振り返った若きCBは、「負けたら終わりですし、緊張感はより一層あります」と、決勝トーナメント特有の緊張感を肌で感じ取りながらも、自分の良さをアピールすることも忘れなかった。

「僕の場合、攻撃より守備で良さを出す選手だと思いますし、先に先に予測して、ピンチの芽を摘むという、地味というかそういう目に見えないところをしっかりやっていければと思ってます」

 その言葉通り、再三高い位置でインターセプトを決めるなど、鋭い読みから気迫十分の守備を見せた冨安。経験豊富な選手が揃う最終ラインの中でも、先輩たちにまったく見劣りしない堂々たるパフォーマンスを見せている20歳は、中盤のベテランプレーヤーで、このたび怪我によりチームを離れることが決まった青山敏弘について、次のようにコメントしていた。

「(離脱前のスピーチには)ぐっとくるものがありました。あれでより一層チームがひとつになりましたし、やらなきゃって思えた場面でした」

 森保ジャパンの次戦の相手は、勢いに乗るベトナム。決して簡単な相手ではないが、勢いならいまの日本も負けていない。緊張感のある戦いが続く中、繊細さと豪快さを併せ持つ冨安の、攻守におけるハイパフォーマンスに期待したい。

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