なぜかツボにはまったおじさんを操作して、岩山やガレキをハンマー一本で登っていくアクションゲーム「Getting Over It With Bennett Foddy」はあまりに意地悪な操作感で超難度のゲームとして知られています。そんな「Getting Over It With Bennett Foddy」を、TAS(ツール・アシステッド・スピードラン)プレイで、前人未到の49秒というすさまじい記録でクリアするムービーをAS13Bさんが公開して話題となっています。

完全に人間の技術だけでプレイを行うRTA(リアルタイムアタック)と異なり、TASはコンピューターのツールやエミュレーターを使用することで人間には不可能なレベルで難しいプレイを行うというスタイル。そのため、TASプレイでは理論上可能なレベルにまで最速クリアを追求することが可能だといわれています。そんなTASプレイによる爆速クリアの様子は、以下のムービーで見ることができます。

Getting Over It TAS - YouTube

置かれている壺から半裸のおじさんが出現し、ハンマーを構えます。壺の色が金色なのは、この超難度のゲームを50回もクリア済みという熟達の証。



ゲームスタート。必要なポイントを適切な角度で的確に捉えていくことで、ぐんぐんと加速しながら前へ進んでいきます。



あっという間に最初の難関である縦坑を、岩の左側をのぼることでショートカットしてクリア。ここで1つでもミスをするとあっという間に一番最初まで戻されてしまうため、ものすごい精度が要求されるプレイです。



無駄な動きは一切ないまま、ガレキの壁をよじ登ります。



何の苦もなく鉄骨を渡りきり……



段ボールの棚を、ショートカットと大ジャンプであっさりとクリア。



オレンジの崖をわずか数ステップでよじ登り……



教会や金床をものの数秒で駆け抜けてしまいます。



重心移動が重要なバケツは1タッチでクリア。



氷の山もまったく滑ることなく登っていき……



山の頂上にある塔に到達。



すさまじいスピードで宇宙に飛び出していき……



ゲームクリア。



AS13Bさんが公開しているタイム表によると、クリアタイムは49秒12とのこと。タイトルの横にある「Glitchless」というのはゲームプログラムのバグを使っていないということを意味します。AS13Bさんによると、ゲームの入力フレームを記録・再生できるようにゲームプログラムを改造することで、およそ1カ月かけて完璧なプレイを目指したとのこと。また、「チュートリアルと縦坑の部分は研究が浅く、まだ改善の余地があるため、あと2秒ほどはタイムを短縮できるのではないか」とAS13Bさんは語っています。



なお、RTAでのクリアタイムをまとめているSpeedrun.comによると、記事作成時点での「Getting Over It With Bennett Foddy」のRTA世界最速記録は、日本人のnorishioさんによる1分21秒275というもので、以下のムービーで見ることができます。

WR Getting Over It Glitchless 1m21.275s - YouTube