【アニメじゃない】井上ジェット&新井正人インタビュー!新作アニメ化(予定)小説「ギバギオン」は新しい作品のかたち

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クラウドファンディング企画『超越野車戦国(ちょうばぎーせんごく)ギバギオン』について(©CGCG Studio HD Inc.)、マルチクリエイターの井上ジェットさん、歌手の新井正人さんにインタビューしました。

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ギバギオンとは、新しいロボットものの物語作品のプロジェクトです。

クラウドファンディング100万円達成! 超越野車戦国ギバギオンとは⁉

中村(筆者):ギバギオンは小説ということですが、どうして小説なんでしょうか?

ジェットさん:アニメを作るためにはまず企画書があって、それに賛同してくれる方たちがいればアニメ化ができます。

ただ、すごく言いにくいんですけど、自分のネームバリューではちょっと難しいかなと感じていて……。それなら、魅力のあるコンテンツであるということを証明する必要があったんですね。

その証明として原作は小説で、それに歌とかメカデザイン(大河原邦夫男さん等)が入って、というのがひとつの形かなって。

中村:なるほど。それはいいですね。

ジェットさん:このプロジェクトは、スーパーノヴァブックスの小説出版の企画第三弾に採用され、出版するためのクラウドファンディングは、GREEN FUNDINGというCCC(TSUTAYA)グループが運営するサイトで行われています。

なので、作品ができあがったらTSUTAYAさんを中心に置かれる予定と聞いています。 [井上2]

中村:いろんなところから協力をいただいているんですね。

(※)2018年5月末にクラウドファンディングは終了しています。

アニメじゃない!? 新井正人さん、だろめおんさんが参加!

中村:今日は新井正人さんにも来ていただいているのですが、小説なのに、歌手である新井さんが参加されている理由を教えてください!

新井正人さん:ジェットさんがライブに会いにきてくれて、こういう企画があるんですけどというように紹介してくれました。企画が面白そうだったので、ぜひ協力したいと思い、参加させていただきました。

中村:ライブの時に、はじめてお会いしたということですか?

新井さん:そうです、そうです。

中村:いきなりライブでギバギオンの話をされたんですか?

新井さん:そうです。すごく感じが良くて、フィーリングが合ったんです。

中村:スピード感のある展開ですね!

ジェットさん:ケンガンアシュラのだろめおんさんがキャラクター原案を担当してくださっていますが、だろめおんさんの方がもっと飛び込みでした。

だろめおんさんはニコニコ生放送で生放送をしているんですけど、7年前くらいにコメントで「おもしろいから会いたいです」って伝えたのが最初でした。

中村:それからずっと仲良しなんですか?

ジェットさん:実は数回しかあってないのです(が大好きです)。

中村:それで企画に参加していただけるの素敵ですね!コンセプトが響いたんでしょうか。

気になる『ギバギオン』のストーリーは⁉

中村:直径400kmのドゥームギア!!

ジェットさん:運命のギアですね。それが地球に落ちてきて、地球の表面をゴロゴロゴロゴロ転がっちゃったんですよ。

そうすると大地がぼこぼこになってしまいますよね、それをバギーというトラクターで耕すところから物語がはじまります。

中村:おもしろい!

ジェットさん:これは復興の物語です。日本と違って秩序が保たれていない場所で起きた話なので、争いとか権力とか戦いが起きていくんです。ルールがないので。

中村:三国志のようなものとおっしゃっていましたよね。

ジェットさん:三国志っていろんなところに英雄がいて、自分たちの意思とか主義をつらぬくために戦うんです。いろんなキャラクターが主義を持っているという点は似ていますね。三国志好きなんです。

中村:それは全部ジェットさんが考えられたんですか?

ジェットさん:そうです。原案は私で、少しずつ皆さんに色をつけていただいています。

中村:天にも届く巨大タイヤっていいワードですよね。めちゃめちゃでっかいタイヤ(笑)

ジェットさん:めっちゃめちゃでかいです(笑)富士山より10倍もでかい。

中村:タイヤは一個ですか?

ジェットさん:一個です!

中村:一個に対してみんなで戦う……?

ジェットさん:これは物語の序章なんですよね。

「ドゥームギア」っていう巨大タイヤは、エヴァンゲリオンでいうところの「セカンドインパクト」。ガンダムでいうところの「コロニー落とし」です。そっから何年か経ったときの物語なんです。

中村:なるほど。タイヤはどうなってるんですか?

ジェットさん:みんなタイヤのことは忘れかけてるんです。落ちたままで、エアーズロックみたいになっています。

新井さん:その映像もおもしろいですよね。

中村:舞台は西暦何年くらいなんですか?

ジェットさん:ドゥームギアが落ちてきたのが206X年です。物語のはじまりは、209X年。30年後のことですね。

中村:タイヤでグチャグチャになった大地を耕す、復興ということですね!

ジェットさん:そうです、みんながバギー(トラクター)に乗って、大地を耕し始めるんです。そうするとバギーがどんどんでっかくなっていきます!それがバトルを生み出します!

中村:なんでバトルになってしまったんですか?

ジェットさん:勢力図というのがあるんですけど、バトルをせずに自分の領土を守っている人たちもいて、だけど自分たちの領土を持ちたいという人が出てきたり……。

中村:なるほど。しかし東京タロウはイケメンですね。

ジェットさん:そうですね。ライバルという形で出てきます。

機動戦士ガンダムZZ主題歌「アニメじゃない」制作秘話!

中村:新井正人さんは、1986年に、「機動戦士ガンダムZZ」の主題歌「アニメじゃない〜夢を忘れた古い地球人よ〜」を歌っていらっしゃいますが、その当時の起用された経緯はどんな感じだったんですか?

新井さん:当時32年前なのであまり『アニメ』という言葉自体普及してなかったんですよね。

なので最初は「漫画じゃーん!」って言ってしまったんですが、クリエイターは、秋元康、芹澤廣明、鷺巣詩郎というすばらしいチームで、これはやってみたいということで、オファーを受けました。

中村:ギバギオンもアニメじゃないですもんね!

ジェットさん:ミラクルですね!これは何かあります(笑)

新井さん:当時は、アニメなのにアニメじゃないって歌ってばかじゃないのってバカにされたこともあったんですよ。でも今は誰でも知っている曲になって。

ジェットさん:新井さんの歌い方にはロマンがあります!歌いたくなってしまう抑揚感です。

ジェットさん:みんなが寝静まった夜〜〜♪っていう歌詞があるんですけど、本当にみんなが寝静まった情景が浮かんでくるんですよ。

新井さん:歌手冥利につきます(笑)

実はアニメじゃないを歌った歌った約3年前に、パイプ型のUFOを見たんですよ。その後ろに飛行機が飛んで行って、何あれ?っていう感じで。その日の空が異常にきれいな青だったのを覚えています。

そういう変な体験をしたんですが、真偽はいいとして、ミュージシャンはロマンの思い込みは大切ですよね(笑)

中村:それが幼きジェットさんに伝わり、時を超えてギバギオンに!(笑)

新井さん:ジェットさんの人間性に惹かれたのももちろんありますが、作品自体のおもしろさという点で、この作品の歌をうたえるというのはすごく楽しみです。

ギバギオンの中にある愛と平和というのは、自分にとっても大きなテーマのひとつでもあるので。
歌っていうのも、人と同じように縁があって来るんですよ。

中村:へ〜不思議!楽曲はどなたが作られるんですか?

ジェットさん:新井さんが作ったもの、あともうひとつ僕が作る予定の曲があるのですが、自分で歌った原曲があってYOUTUBEに公開したところ、それを聞いて感銘を受けてくださった方がいらっしゃって……

ポケモン等の曲を作ってらっしゃる多田彰文さん(劇場版ポケットモンスターシリーズ、映画クレヨンしんちゃんシリーズ等の音楽を担当)という方が、編曲・メロディーコピーをしてくださいました。

それをクラウドファンディング中に公開することができました。

中村:すごい!公開してよかったですね!!

ジェットさん:「監督がここまで歌っているものはない、作りたくなっちゃった」と言ってくださって、ギバギオンの応援ということで、大変嬉しかったです。

中村:わたし最初youtubeで聞いたとき声を出して笑いました(笑)

(※)完成楽曲版のアレンジも別途制作中とのことです。

ギバギオンを五感で感じられる作品に

ジェットさん:ギバギオンは近い将来のアニメ化を意識して作品作りをしています。

そのための原作作りですが、メカデザインやキャラクターデザイン、アニメソングを入れて、視覚や聴覚的にも作品を楽しんでもらえるように意識しています。

書籍が出る頃には、ギバギオンの認知もさらにアップできるように地道に活動してゆきたいと思っています。

アニメを作る過程のお話がいろいろ聞けてとっても楽しい取材でした。

ギバギオンの小説発売楽しみです!(2018年9月発売予定)

井上ジェットさん、新井正人さん、貴重なお時間をどうもありがとうございました!

■大河原邦男
1947年12月26日、東京都生まれ。東京造形大学を卒業後に、アパレルメーカーを経て、1972年、タツノコプロに入社。「科学忍者隊ガッチャマン」(1972)のメカデザイナーとしてデビュー。

その後、中村光毅とともに設立したデザインオフィス・メカマン時代を経て、現在はフリーとして活動。
近年ではアニメーションの仕事の他、東京都稲城市のマスコットキャラクター「稲城なしのすけ」や未来型の超小型モビリティー「machina(マキナ)」のデザイン、海外からのフィギュアデザインのオファーを受けるなど、国内外で精力的に活動をおこなっている。

2013年長年にわたる業績が評価され文化庁メディア芸術祭にて功労賞を受賞。

■新井正人
1977年にデビュー。「パル」ボーカルとしてTVドラマ等の主題歌を歌う。
NHKアニメ「太陽の子エステバン」、日テレ系「ちょっとマイウェイ」、「エースをねらえ劇場版」のOP、EDを担当。オリコンベストテン入りでTV番組に多数出演。

名作アニメ『機動戦士ガンダムZZ』の主題歌「アニメじゃない〜夢を忘れた古い地球人よ〜」及び「時代が泣いている」を歌う。3代目オメガトライブVO.に抜擢。CM、映画など多数作曲、歌唱。他の歌手にも楽曲提供。

現在は、たいらいさお、MIQとのコラボST4活動中。イベント、ライブ等の音楽活動を行いつつ、洗足学園音楽大学にて教鞭を振るう。

■井上ジェット
神奈川県出身のマルチクリエイター。 小池一夫劇画村塾12期生。日本アニメーション協会会員。

マンガ家を目指し1996年・第30回ちばてつや賞で佳作を受ける。1997年にはゲーム会社にてゲームクリエイターとなり活動を開始。その後、多数のゲームやアニメ制作に関わり、アニメ「SDガンダムフォース」ではアニメ演出家デビュー。大河原邦男と共に東京都稲城市のマスコットキャラクター「稲城なしのすけ」の制作に関わり、同市の広報誌「いなぎ」で4コママンガの連載も担当。

「超越野車戦国ギバギオン」やミュージカルアニメ「スプリンパン 前へすすもう!」の企画開発をCGCGスタジオHD株式会社にて行っている。ゲーム、アニメ、マンガ等、マルチに制作に関わるクリエイター。ギバギオンでは「作品監督」の位置で奔走している。