筆の代わりにレンズと太陽光だけで作品を描き上げるヘリオグラフィ・アーティスト
誰もが一度は遊んだことがあるはずの「虫メガネ+太陽」の組み合わせを利用して、木の板の上に絵画を描き上げるアーティストがいます。1枚の作品を描き上げるのに要する時間は1時間から大きいものだと30時間にも及ぶものもあり、その仕上がりは非常に精緻なものとなっています。
Artist Paints with the Sun Using Magnifying Glass as His Brush
新ジャンル「ヘリオグラフィ」の作品を制作しているのは、アメリカ・コロラド州で活動するマイケル・パパダキスさん。「太陽の」という意味を持つ「Helio」と絵画「Graphy」を組み合わせた「Heliography」は本来、1824年に発明された写真技法を指すものでしたが、パパダキスさんは写真ではなく絵画を太陽で描くことを実践しているアーティストです。
ヘリオグラフィで作品を作っている様子はこんな感じ。大きな集光レンズを手に持ち、太陽を背にひたすら木の板に焦げ目を付けることで模様を描いていきます。
完成した作品の一例がコレ。微妙な木の焦がし具合によって、繊細なニュアンスが表現されています。
このような大きな作品も。先述のように作成に要する時間は1時間から30時間とのことですが、パパダキスさんが住むコロラド州は1年のうち300日が晴れという恵まれた環境になっているため、ほぼ毎日作品を作ることができるそうです。
パパダキスさんはかつて、普通に筆と絵の具で絵画を描く画家だったとのこと。しかしある時、アジアのシルクロード地域を旅した時に目にした光景がインスピレーションとなってこの技法にたどり着いたとのこと。ちなみに、フィリピンにも同様の技法で作品を作っているアーティスト、ジョーダン・マン=オーサンさんがいます。
このように、木の皿に模様を描くことも可能となっています。
パパダキスさんが街で作品を作っていると、誰もが足を止めてその様子に目を奪われるとのこと。中には絵を描いていると信じない人もいるそうですが、次第に作品が形になるにつれてみな驚いた表情を見せるようになるそうです。
パパダキスさんが制作した作品はFacebookやInstagramでも公開されています。以下のムービーでは、実際に絵を描いている様子をタイムラプス映像で見ることもできます。
Incredible Artist Creates Masterpieces With Bin Lid - YouTube