ミニコンポはオワコンではなかった? スマホ連携やワイヤレス化で進化を続けるミニコンポ

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パナソニックは5月中旬に、ミニコンポ「SC-HC300」を発売すると発表した。
SC-HC300は、Bluetooth接続したスマホ連携で、離れた場所から電源オンオフができるなど、今の時代に適応して進化したミニコンポだ。

ミニコンポは、以前は家庭や事務所など、室内で音楽を聞く機器として売れ筋の人気商品だった。小型で置く場所にも困らず、手軽に使えたからだ。

ところがスマホが登場し、多くの人がスマホで音楽を聴くようになった。さらにBluetoothのスピーカーやヘッドフォンが普及したことで、今では、ミニコンポは人気を失った。


しかしミニコンポはなくなってはいなかった。
実は、さまざまな便利機能を搭載しながら、今も進化を続けていたのだ。

●スマホ連携で進化するミニコンポ
オーディオとしての本格的なステレオは、今では高額な商品がズラリとならび、簡単には手が出ない。

1990年代ごろまでのミニコンポは、少しでも安価で良い音質を楽しみたい層にとって、最適なアイテムだった。
当時は、CD、カセット、ラジオなどさまざまな音源に対応し、分離型のアンプ、スピーカーを接続して音楽コンテンツを楽しむことができた。なかにはレコードプレイヤーやMDデッキを搭載するモデルもあった。

2000年代に入り、iPodなどのデジタルオーディオ機器が登場する。
その後2010年前後にスマホが普及し始めると、屋外や移動中だけでなく、自宅などでもイヤフォンやヘッドフォンで音楽を聴く習慣が定着していく。

そしてミニコンポはオワコンとも言われるようになった。

けれども、実際のミニコンポは終わってはいなかった。
さまざまな機能を搭載しながら、現在も進化しているのだ。

進化の1つがスマホとの連携機能だ。
現在発売されているミニコンポは、BluetoothまたはUSB接続により、スマホと連携できる。
ミニコンポは、この連携機能により、CDなどを再生するだけでなく、スマホに保存しているデジタル音源を再生可能となっている。
これまで集めてきたCD音源も楽しむ一方で、Bluetoothスピーカーとしても活用できるのだ。USBメモリーを接続してMP3音源が再生可能なモデルもある。

今回パナソニックが発表した「SC-HC300」は、「外部入力スタンバイ」機能を備えている。

「外部入力スタンバイ」機能とは、
スマホ側で音楽を再生すると自動でミニコンポ側の電源が入り、セレクターも切り替わるというものだ。同様のスタンバイ機能は、パイオニアの「X-CM35」などにも搭載されている。

進化のもう1つは高音質の追求だ。
高級スピーカーの採用や、真空管アンプを搭載するモデルまで登場している。
また、2万円台からハイレゾ対応のミニコンポも増えている。
さらにスマホとの接続に「Wi-Fi」を採用し、ワイヤレスでも劣化の少ない再生が可能な製品もある。

●既存のミニコンポをスマホ対応に
自宅には、古いながらも使えるミニコンポが、まだあると言う人も多いだろう。
こうしたミニコンポを活かしたい場合には、Bluetoothレシーバーなどを活用する方法がある。

Bluetoothレシーバーを使えば、スマホと連携させることができるからだ。
たとえば、Bluetoothレシーバーエレコムの「LBT-AVWAR500」を、
アンプの外部入力に接続して、スマホとペアリングすれば、スマホ内の音楽コンテンツをミニコンポで聴くことができるのだ。
Bluetoothレシーバーは、実売価格は3000円前後と安価で入手できる。
また、なるべく劣化なくハイレゾ音源を楽しみたい場合は、
Wi-Fi接続で使用するグーグルの「Chromecast Audio」レシーバーを使う方法もある。
こちらも実売価格は5000円前後だ。

自宅でじっくり音楽を聴きたいとき、ミニコンポがあればスマホの内蔵スピーカーより高音質で音楽を楽しむことができる。

現在のミニコンポは、スマホとの連携が簡単にできて、高音質を追求するモデルも増えている。また、今あるミニコンポでも、数千円の予算でワイヤレス化することで、スマホ連携ミニコンポに変身させることも可能だ。