2年半ぶりの新車『アウトランダー』を発表する、三菱自動車の益子社長(撮影:吉川忠行)

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経営再建中の三菱自動車<7211>は17日、2年5カ月ぶりの新型車となる中型スポーツ多目的車(SUV)「アウトランダー」を同日から発売すると発表した。同日、東京都港区の本社で開かれた発表会で、益子修社長は「三菱の基幹車両となる世界戦略車」と紹介、「期待と同時に身の引き締まる思い」と述べた。

 同車は、衝突安全性や剛性を高めた新型の車台と、基本部分を現代自動車やダイムラー・クライスラー社と共同開発した、低燃費・高性能のアルミブロック製2.4リットルMIVECエンジンを採用。トランスミッションには6速スポーツモードCVT(無段変速機)を搭載した。オンロードタイプのSUVとして高速での走りの安定性も追求したという。税込価格は、5人乗りで235万2000円と264万6000円、床下に収納できる2人用の3列目座席を搭載した7人乗りで237万3000円と266万7000円。

 スポーティーさを演出したというデザインは、日本産業デザイン振興会の05年グッドデザイン賞・商品デザイン部門を受賞している。「『SUVユーザーの選択肢を広げる重要な役目を担う』と評価された」(益子社長)としており、中心となる購入層は、子育てを終えた40〜50代や30代の夫婦・独身男性と想定している。

国内での月間販売目標台数は2000台。06年9月に投入予定の北米では年間5万台、07年3月予定の欧州では同2万5000台、中国を含むアジアでは同2万台とそれぞれ販売を見込む。仏プジョー・シトロエングループ(PSA)にも年間3万台を供給する。

 同社がリコール(無料の回収・修理)の続出で、長期的に厳しい経営環境を強いられる中、03年5月のミニバン「グランディス」以来の新車投入となる。新型車台に生産対応するため、水島製作所(岡山県倉敷市)の溶接組み立て生産ラインを10年ぶりに一新、滋賀工場(滋賀県湖南市)にも新型エンジン対応の組み立てラインを新設して、多段階の品質チェック体制も拡充したという。

 益子社長は「再生計画発表後第一弾として、みなさんに自信を持っておすすめできる車でありたいという願いをこめて、開発・生産に取り組んできた。信頼回復の力になると信じている」と強調。発表会後には、◆走行性能◆安全装備◆衝突安全◆環境対応◆快適空間◆生産品質─の各分野について、技術を詳細に説明する展示を報道陣に公開した。【了】

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