提供:週刊実話

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 この前代未聞の抵抗に戸惑い、いら立っているのが相撲協会だ。12月5日には鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)が「早く診断書を提出するように」と促す文書を持って東京・江東区の貴乃花部屋を訪れた。しかし、貴乃花親方は留守で、やむなく文書だけを郵便受けに投函。
 「なんでも文書で、と言われている。(診断書提出は)ルールだから。そういうのに応えるのが相撲道じゃないの」
 鏡山部長は、ぼやきながら引き上げて行った。

 その3日後の8日にも再度、貴乃花部屋を訪問しているが、やはり会えず、滞在時間わずか1分で部屋を後にしている。
 「連絡がつかないから(鏡山部長が)行った。電話しても出ず、(向こうから)かかっても来ないから」
 このノレンに腕押しの手詰まり状態に八角理事長(元横綱北勝海)も、思案投げ首の態だ。

 だが、協会サイドも手をこまねいてばかりではない。
 「1人でも(未提出の者が)いると、協会のガバナンス(組織統治)がなっていないと言われる、ちゃんとやっていかないと」

 貴乃花親方の代わりに冬巡業を率いている春日野巡業部長代理(元関脇栃乃和歌)は、このようにあくまでもケジメを付けることにこだわっている。今後のことについても、「この問題は(理事の選任や解任権のある)評議員会でやっていかないといけない」と、厳しい見通しを示した。
 つまり、これ以上、抵抗すれば「理事を辞めさせるぞ」という究極の脅しをちらつかせたのだ。この裏には、相撲協会の焦りも垣間見える。関係者の処分を決める臨時理事会を12月20日に控え、注目の貴ノ岩の事情聴取をいつ、どんな形で行うか。この診断書未提出でその手掛かりすら、掴めない現状をどうするか…。

 こんな膠着状態が続けば、貴乃花親方の厳罰は避けられない。理事から追放される恐れだって十分ある。果たして、貴乃花親方はどうなるのか。
 「やれるものならやってみろ、と完全に開き直っています。目指すのは、あくまでも白鵬のクビ。暴行現場に同席し、暴行の発端を作ったのも白鵬。『責任は問わなければいけない、それが正義だ』と強く思っていますから。もし20日の理事会で白鵬に何のお咎めもなければ、おそらく法的手段に訴えるでしょう。筋を通すためだったら、たとえクビになってもいいと腹をくくっています。今の貴乃花親方を止められる人間は誰もいません」(一門関係者)

 “貴の乱”はまだまだ続く。