男同士だからこそ分かり合えることもあれば、男同士だからこそぶつかることもあるのが父親と息子です。今回のメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』では著者で家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんが、6歳までの幼児期、14歳くらいまでの少年期、成人までの思春期の3つに分け、「父親の息子との接し方」を詳しくレクチャーしています。

息子をもつ父親の役割とは?

Q. 息子が生まれて2年、親という経験が初めてで試行錯誤中ですが、父親として息子を育てるにあたり、これだけは外せない、と言うコツはありますか?(2歳男児のお父様より)

柳川さんの回答

男の子を一人前の男性にするためには、成人までを「3つに区切って対応を変える」ことが必要だと言われています。

一つは、6歳までの幼児期、二つ目は14歳くらいまでの少年期、最後は、成人までの思春期です。

それぞれの対応についてご紹介します。

1.6歳までは遊びたっぷりで過ごす

この時期には人としての感情の基本が育ちます。たくさんスキンシップを取り、愛情を表現しましょう。

「触れ合える遊び」をたっぷりすることがお勧めです。ボール遊び、海水浴、かけっこなどの遊びの中で、できるだけ子どもに触れましょう。

注意することは、活発に遊ぶことで子どもが興奮するので、興奮で終わらせないようにすることが必要です。

読書したり、一緒に昼寝をしたりして落ち着かせましょう。

2.14歳までは、父親が大活躍のとき

この時期の男の子は、一番危なっかしい時期ですから、放っておくのはNG。

「積極的に息子と関わること」に尽きます。

また、男性的な特徴が急に出始め、息子は「男性」になることを学び始めます。

一方で、様々な事態に対応する能力と技術を身につける時期でもあるため、父親や周囲の男性に目を向けます。

そして彼らを手本として自分なりに、男性像を築き上げていくのです。

息子に積極的に話しかけ、うるさがられても、根気よく話しかけ愛情を示しましょう。

また、人とのコミュニケーションの基礎を作るときですので、議論や話し合いも必要です。

そして、母親に任せきりにしてはいけません。父親の存在が大きいことを自覚しましょう。

重要な決定事項には必ず参加し、子どもの勉強状態を把握しておくことや、趣味、友人関係の把握も母親と共有しておくことが大切です。

3.成人までは視野が家族から社会へ広がるとき

この時期は、親から離れ大人になるために模索する時期ですから、同性の良き大人の存在、例えば親以外の同性の大人、アドバイザー、尊敬できる人物が必要です。

親の言うことには耳を貸さない時期でもあるので、父親としては、それにかわる人物や息子を導いてくれる人物と出会えるようにしましょう。

また、熱中できることをさせるのが非常に大切な時期です。

有り余る少年のエネルギーを危険な遊びや犯罪行為に向かせないためにも、息子の情熱を奮い立たせるような熱中できるものを見つけましょう。

※参考文献:『男の子って、どうしてこうなの?―まっとうに育つ九つのポイント』草思社 スティーヴ・ビダルフ著

家庭教育アドバイス・・・息子との会話は弾まなくてイイ

最近は、親子に限らず、夫婦、会社においてもコミュニケーション不全が多いと言われています。

毎日会話をしているようでも、実は会話になっていなかったり、聞いているようで、聞き流していることが多いようです。

心当たりがありますか?見ているのは、表面的なことだけで、わかっているのも目に見えていることだけ。

そして「どうせこうなるだろう」「どうせわかってもらえないだろう」と思いこんでいることが多いのです。

だからこそ、親子の会話が大切なんです。

例え会話が弾まなくても、「どうせ・・・」という思いこみを捨てて、まずは問いかけてみましょう。

「それって何?」「それはどうして?」「前はどうだった?」「どうしようか?」

これらの問いかけに返事が無くても不機嫌にならず、流しましょう。

息子を気に掛けている、という気持ちが息子に届けばOKです。

また、子どもの得意なことについて質問し、息子の状況をわかるように努めましょう。

会話のコツは、「たしかに」と「しかし」を使うこと。試してみてくださいね、お父さん!

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