『東亜日報』は「日本、“W杯優勝国なしのH組”にホクホク顔」と報じた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ロシアW杯でグループHに入った日本。コロンビア、セネガル、ポーランドと同組で対戦することとなったが、日本の抽選結果は、お隣・韓国でも報じられている。
 
「日本、“W杯優勝国なしのH組”にホクホク顔」(『東亜日報』)
「日本、2大会連続“蜜の組”、FIFAランキング13位のコロンビアと再び激突!」(『SPORTSQ』)
「H組に入った日本、今回も最高の攻撃陣を相手にする」(『sportalkorea』)
 
 といった具合で、H組は比較的突破が容易なグループだと評価するメディアが目立つ。今回の抽選会では、出場32か国中、31番目にくじを引いた韓国と32番目の日本が最後に残り、韓国が「死の組」と呼ばれるF組(ドイツ、メキシコ、スウェーデン、韓国)に入ったことを受けて日本の組分けが決まっただけに、「2018W杯組み合わせ抽選で明暗が分かれた日韓…“50%の確率でも日本に負けた”」(『朝鮮日報』)、「2018ロシアW杯組み合わせ抽選、小さなボールひとつで韓国と日本の運命が分かれた…”日韓戦の気分“の声も」(『グローバル経済』)と、両国の結果を比較するメディアもあるほどだ。
 
 そんな韓国メディアの本音を探るべく、現地のサッカージャーナリスト3人に話を聞いた。
 
韓国にはH組を引き当ててほしかったです」と話すのは、大衆一般紙『中央日報』スポーツ部のサッカー班チーム長のソン・ジフン記者だ。
 
韓国が対戦するF組のチームに比べ、H組のコロンビア、セネガル、ポーランドは、まだW杯でこれといった成績を残したことがありません。H組は、ポット4に属す国の立場からすれば、A組と並んで16強入りの可能性がもっとも高いグループだと言えます」
 
 実際、韓国は11月にコロンビアと対戦し、2-1で勝利している。この一戦は、それまで不振が続いていた韓国代表が息を吹き返すきっかけにもなった。韓国がH組を望んだことには、“死の組”を避けたかったという思いだけでなく、こうした成功体験も関係しているのかもしれない。

 韓国のサッカー専門メディア『FOOTBALLIST』のリュ・チョン記者も語る。
 
「ポーランドとセネガル、コロンビアも強いですが、浮き沈みがあるチームでもあります。相手が自らプレーを乱して、チャンスを得られるかもしれません。韓国人ならば、H組に入りたいと願うのは、自然なことでしょう」
 ただ、サッカー専門誌『Four Four Two』のホン・ジェミン編集長は、H組は混戦模様となると見ている。
 
「H組は、全チームに16強入りの可能性がありますから、実際はどうなるかわからない。その意味では、H組こそ本当の“死の組”と言えるかもしれませんね。それでも、あえてH組の順位を予想するなら、上からポーランド、コロンビア、日本、セネガルとなるでしょうか。日本は、コロンビアとポーランドに敗れ、セネガルに勝利。1勝2敗でグループ3位に入ると考えています」
 
 一方、前出のリュ・チョン記者は、「日本は、コロンビアに負けなければ2位に入れる可能性もあるが、コロンビアに負けた場合は、最下位に終わるかもしれない」と予測する。なぜ、そこまでコロンビア戦が重要になるのか。リュ・チョン記者は続ける。
 
「第2戦で当たるセネガルは、かつてのような強さはありませんし、守備も不安定。日本が勝てる見込みも十分にあります。また、ポーランドもFIFAランキング(7位)からイメージするほどの強敵ではありません。レバンドフスキを組織的に抑え、ボール占有率を高めれば、日本も勝点1以上を獲得できるかもしれません。その点、コロンビアは、日本が前回大会でも敗れている強豪国です。コロンビアとの初戦で勝点1以上を得られれば、決勝トーナメントに進出する可能性も広がりますし、勢いにも乗れるでしょう」