日本統治時代開校の小学校、修復された旧武道館の供用開始を祝う

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(花蓮 25日 中央社)104年の歴史を持つ東部・花蓮県の豊裏小学校には、日本統治時代、剣道の稽古場だったという講堂がある。時代とともに手が加えられ、当時の面影が失われかけていたが、中央省庁や県などの支援の下、復元工事が8月に終了。今月25日に供用開始を祝うセレモニーが行われた。

同地は日本統治時代に日本人の移民村があった場所。豊裏小学校の前身は、1913(大正2)年に開校した「花蓮港庁豊田尋常高等小学校」で、日本人の子弟だけが通う学校だった。

旧武道館は戦後、講堂として使われ続け、古い校舎が次々と建て替えられる中、ただ一つ当時の名残をとどめた建物となった。2009年、県の歴史建築に指定されている。文化資産となった学校建築は、東台湾ではここだけ。復元工事では、当時の写真を参考にしながら、可能な限り昔の姿をよみがえらせた。

戦後の第1期生に当たるという80代後半の男性は、かつて講堂は地元の人々の集会所も兼ねており、結婚披露宴なども行われたものだと振り返り、地震や台風にもよく耐え抜いたと、感慨深げに語った。

第14期生の男性は、昔は学校の周辺はサトウキビ畑で、防空壕なども残っており、同級生らとかくれんぼに興じたと子ども時代に思いをはせた。

(李先鳳/編集:塚越西穂)