ドジャース・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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米メディアのFA”格付け”で軒並み1位、故障歴が「マイナス面」も…

 メジャーリーグのストーブリーグが本格的にスタートする中、フリーエージェント(FA)選手の中で最大の注目を集めているのが、ダルビッシュ有投手だ。あらゆる米メディアの“格付け”で、軒並み1位の評価を獲得。ワールドシリーズでは2試合連続でKOされ、ドジャースを世界一に導くことはできなかったが、メジャーで「エース級」という評価は変わらず、大型契約を手にすると見られている。

 米スポーツサイト「スポーツ・オン・アース」では、FA市場で注目されている5人の投手を選出。ダルビッシュ、ジェイク・アリエッタ(カブスからFA)、ウェイド・デービス(カブスからFA)、ランス・リン(カージナルスからFA)、CC・サバシア(ヤンキースからFA)とベスト5の順位をつけ、それぞれのプラス面、マイナス面について分析している。

 1位のダルビッシュについては、マイナス面が2つに対して、プラス面は4つと評価は高い。しかも、マイナス面は、ともに故障歴。「2015年3月にトミー・ジョン手術を受けた」「背中や首のケガのため、過去4年間毎年故障者リストに入っていた」という2点を挙げている。

 ただ、これを補えるだけの要素が、プラス面では列挙されている。まず1つ目として「先発陣のエースになる可能性がある、(全休の2015年を除く)MLBの5シーズンでオールスター4度、2013年はサイヤング賞候補2位、通算奪三振率11.0」と指摘。負傷離脱は多かったものの、これまでのMLBでのパフォーマンスは高く評価されており、「エース級」の評価は揺らがない。

トミー・ジョン手術後に投球内容は向上?

 ピッチング自体についても、その能力の高さを特筆している。2つ目で「8球種の豊富なレパートリーを持つ。スピードの幅は70マイル(約113キロ)のスローカーブから95マイル(約153キロ)のファストボールに至る。ファストボールは99マイル(約159キロ)を計時することがある」と絶賛。さらに、3つ目では「彼の球速とコントロールは手術から復帰後、良くなっている」と、トミー・ジョン手術後に投球内容は向上していると分析している。

 また、ワールドシリーズでのKO劇で評価を下げたとの声もあるが、記事では大きなマイナス要素にはならないと指摘。むしろ、原因はほぼ明らかになっているため、改善の余地があると見ている。

 プラス評価の4つ目として「彼の破滅的なワールドシリーズでのパフォーマンスは、彼の価値を抑えることになるかもしれない。しかし、おそらくは球種が読まれていたことが原因である」と言及。ダルビッシュの投球時の癖などから球種がアストロズ打線にバレていたとの説が有力で、これが解決できれば、あのようなKO劇は繰り返されないとの見方だ。

 記事では最後に、ダルビッシュの移籍先を「カブス」と予想。世界一奪還を目指す強豪が有力候補とした。依然として高い評価を受ける日本人右腕は来季、どのユニホームを着ることになるのだろうか。(Full-Count編集部)