10日のブラジル戦、14日のベルギー戦に向けた日本代表メンバーが話題になっています。ACL決勝を控えた浦和から5人が選ばれたり、長澤和輝が初選出されたりといろいろな要素はありますが、一番大きなニュースは本田圭佑、香川真司、岡崎慎司が外れたことでしょう。

本大会で対戦する可能性がある以上、ブラジルやベルギーに対して手の内を隠したいのではないかという意見もあるようです。また、ヨーロッパでの試合なのでヨーロッパ在住選手を呼んだほうがよかったのではないかという意見も聞きました。

ですが、僕はもっと単純に考えていいのではないかと思います。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、9月、10月の本田、香川、岡崎の働きに物足りなさを感じたのでしょう。ですから、ここで招集したら「競争」がなくなってしまうと思い、外したのではないでしょうか。

もちろん3人のコンディションが整えば、どんなプレーができるのかはわかっているはずです。ですから一度外してみて、本当に「競争」なのだとチームの内外に示し、選手たちの努力を引き出そうとしているのではないでしょうか。また、3人は今回のリストから漏れたからといって、ふて腐れてしまう選手ではないという計算も働いたことでしょう。

では、その3人に代わってJリーガーを多く選出したのはなぜか。それは一流プレーヤーと対戦してみて、どれくらいやれるのかをチェックするためだと思います。ヨーロッパでプレーしていたら、世界的プレーヤーと対戦する機会があります。ところがJリーグでプレーしていると、なかなかそんなチャンスに恵まれません。

そのため、今回の試合ではJリーガーがトップチームと対戦したときに、普段のプレーができるか、メンタル面の問題はないかを試したいのだと思います。そのため、細かい戦術よりも、選手個人がどれくらいプレーできるか、個人の能力を示さなければならない戦いになるのではないかと推測しています。

ともかく本田、香川、岡崎の実績を考えると、この3人に必要なのはコンディションがいいことです。焦ることなく、しっかり調整してほしいと思います。