ランニングするDF酒井高徳

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 私利私欲を捨て、チームのためにプレーする。日本代表のハリルホジッチ監督がメンバーの入れ替えを示唆している10日のハイチ戦(日産ス)ではDF酒井高徳(ハンブルガーSV)にもチャンスがめぐってきそうだ。

 昨年11月15日のサウジアラビア戦以降、両サイドバックはDF酒井宏樹とDF長友佑都が8試合連続で先発出場を続けている。酒井高は今年3月28日のタイ戦に先発しているが、このときのポジションはボランチ。サイドバックでの先発となれば昨年11月11日のオマーン戦までさかのぼる(途中出場では今年6月13日のイラク戦で後半32分から右サイドバックに入っている)。

 とはいえ、過剰に個人のアピールに固執するつもりはない。FWと違って目に見える結果でアピールしづらいポジションということもあるが、6日のニュージーランド戦(2-1)を含め、メンバーを入れ替えながら戦っているからこそ、“チームありき”という意識を強めている。

「ニュージーランド戦を見ていても、人が代わって噛み合わない部分があった。個人は大事だけど、チームが良くないと個人のパフォーマンスも上がらない。個人の欲は捨てるというか、チームとして機能すれば全体がよく見えると思う」

 サイドバックだけでなく、センターバックや中盤、前線でも選手が入れ替わる可能性はある。“急造チーム”になるからこそ、「意識してしゃべりながらプレーしたい」と、コミュニケーションの重要性を説いた。

 対戦相手のハイチはW杯北中米カリブ海予選の4次予選で敗退し、昨年11月より6チームの総当たりリーグ戦で争われている最終予選進出を逃した。今年3月に行われたゴールドカップ予選プレーオフを最後に国際Aマッチも行っていない。練習前の円陣でハリルホジッチ監督は「ハイチは半年ぐらい試合をしていない。監督も代わって、メンバーの入れ替わりも激しい。これから分析していこうと思っている」と選手に説明したという。

 日本にとっては“未知”の相手となるが、酒井高は「どういう特長があるかは分析してみないと分からないけど、(日本の)選手が代わって、チームが機能するかどうかのほうが大事」と指摘。「何となくプレーするのは危ないし、良くない。今までやってきたコンセプトを理解しながら、コミュニケーションを取ってやることがチームの結果にもつながると思う」と表情を引き締めた。

(取材・文 西山紘平)