名手ピルロ、軽率かつ無気力プレーで戦犯に 米紙が酷評「失望したルーキーのよう」

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ターンした瞬間を狙われ軽々とボールを失い、その後も立ち止まってすぐに追わず

 元イタリア代表のファンタジスタが、まさかのミスで戦犯となった。

 ニューヨーク・シティFCは現地時間9日、米MLS(メジャーリーグサッカー)の本拠地ポートランド・ティンバーズ戦で0-1と敗戦。この試合で痛恨の失点につながるミスを犯したのが、正確なキックや冷静沈着なプレーぶりで知られる名手アンドレア・ピルロだった。

「アンドレア・ピルロのミスがNYCFCの0-1負けを招いた」と報じたのは、米紙「ニューズデイ」だ。「偉大なピルロは素晴らしい22年間のプロキャリアで多くの思い出深い瞬間を楽しんできた。しかし、土曜日の夜は違った」とピルロのミスに言及している。

 問題の場面は前半44分に起きた。最後尾からパスをつなぎにかかるニューヨーク・シティは、自陣ペナルティーエリア手前付近まで下がって来たピルロにDFがパス。ボールを受けたピルロは相手から猛烈なプレッシャーを受け、巧みにいなそうとするも、ターンした瞬間を狙われて軽々とボールを奪われてしまう。

 次の瞬間、ボールを奪った相手を一切追わず、その場に立ち止まると、主審の方を向いて両手を高々と挙げファウルをアピール。わずかに待って判定が下らないと見るや、自陣ゴールに向けてようやく動き出したものの、軽いランニングのようにボールを追うのみだった。

ヴィエラ監督は擁護「ミスした選手いたが…」

 かつて世界屈指のファンタジスタと言われた男が、いとも簡単にボールを奪われ、さらに拙い対応で後手を踏み、痛恨のゴールを献上した。得点を決めた相手FWディエゴ・ヴァレリは、これでMLSタイ記録となる7試合連続ゴールをマークしており、結果的にピルロが助ける形となった。

 同記事では「ピルロが審判の注意を喚起しようと手を振っている間、ジャマイカ代表選手は横断してエリアに侵入し、フリーのヴァレリに渡った」と軽率かつ無気力なプレーを酷評。失点後に悔しさを露わにしたピルロに対して、「38歳は賢明なベテランというより、まるで失望したルーキーのようだった」と表現している。

 ニューヨーク・シティFCを率いる元フランス代表のパトリック・ヴィエラ監督は「ミスや間違った決断をした選手がいたが、時にはゴールを与えることもあるし、与えないこともある。それが敗れた理由ではない」とピルロを擁護した。

 試合後、報道陣が押し寄せる前に会場を後にしたというピルロだが、名手のプレーに対して批判が巻き起こっているようだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

【動画】ポートランド・ティンバーズ公式ツイッターに投稿された「ピルロの無気力プレーからの決勝ゴール」

https://twitter.com/TimbersFC/status/906646180733509632

ポートランド・ティンバーズ公式ツイッターに投稿された「ピルロの無気力プレーからの決勝ゴール」