8月雇用統計の発表日 大きな変動に警戒が必要 9月1日のドル円為替

写真拡大

 8月ADP雇用統計、第2四半期のGDP改定値がともに好調だったことから、ドルは堅調に推移していたが、インフレの低迷が再確認されるとやや値を下げている。本日は月はじめの金曜日だ。キングオブ経済指標と呼ばれる8月雇用統計の発表がある。ADP雇用統計と相関があるとされてはいるものの、まったく逆の結果に終わることも珍しくない。はたして為替相場に大きな変動をもたらすことになるのだろうか。

【こちらも】今日の為替市場ポイント:米雇用統計発表を控えて狭いレンジ内での取引となる可能性

 8月31日は1ドル110円台での推移が続いていた。19:00(すべて日本時間)ごろには1ドル110円66銭の上値をつけている。21:30には7月個人消費支出(PCE)、個人所得、PCEコアデフレーター、さらに前週分の新規失業保険申請件数が発表となった。好調だったのは雇用であろう。前週分の新規失業保険申請件数は事前予想の23.8万件から改善されて23.6万件であった。7月個人所得も事前予想の+0.3%を上回り、+0.4%であった。やや低調だったのは7月個人消費支出の+0.3%。事前予想の+0.4%を下回った。インフレに関して最も注目される7月PCEコアデフレーターは前年比+1.4%と事前予想と同じ。この数値は1年以上ぶりの低水準となった。

 やはり懸念されていたインフレの低迷ぶりは明らかだ。これによりドルが売られるようになり、日付の変わった9月1日1:00ごろには1ドル109円91銭と110円台を割り込んでいる。ムニューシン財務長官が0:40ごろに、米国貿易にとってドル安の方が幾分良いとコメントしたこともドル売りに拍車をかけた。

 4:00ごろには1ドル109円88銭の下値をつけたが、そこから反発し、8:50ごろには1ドル110円14銭まで戻した。その後は110円のラインで上下している状態だ。本日は21:30から8月雇用統計の発表となる。そこまでは市場は様子見ムードが続くだろう。結果によっては年内の追加利上げ観測が上昇し、ドル買いの大きな材料となるだけに注目である。23:00にはISM製造業景気指数、7月建設支出も発表だ。好調な経済指標の結果が、ドルの上振れとなるのか注目だ。