スーパカップ優勝の祝賀パーティーに姿を見せず、練習もボイコットしているケイタ。その強行姿勢は決して褒められたものではないが……。 (C) Getty Images

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 ラツィオのクラウディオ・ロティート会長が、現地時間8月19日付のイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで、残りの契約が1年となり去就騒動の渦中にあるケイタ・バルデ・ディアオとロベルト・カレンダ代理人を批判した。
 
 先日、ユベントスのジュゼッペ・マロッタCEOが、「適切な額のオファー」を出したと明かしたことで、イタリア王者への移籍が実現するかが注目されているケイタ。だが、両クラブ間が合意に至らず、今も去就は不透明な状態が続いている。
 
 シモーネ・インザーギ監督はプレーへの影響を懸念し、8月13日に行なわれたユーベとのイタリア・スーパーカップにケイタを招集しなかった。これに同選手とカレンダ代理人は猛反発。ケイタは翌日のスーパーカップ優勝パーティーと練習をボイコットしている。
 
 契約延長をオファーされていないと主張するカレンダ代理人も、SNSやメディアでラツィオへの怒りを露にしている。だが、ロティート会長はガゼッタ・デッロ・スポルト紙で、「契約延長をオファーしていないというのは事実じゃない」と反論した。
 
 ロティート会長は、自身の経営下で最高額の報酬を手にしていた元ドイツ代表FWのミロスラフ・クローゼと同額のサラリーをケイタに提示しているという。さらにガゼッタ・デッロ・スポルト紙も、その年俸が200万ユーロ(約2億5600万円)超と報じ、そのうえで選手側の回答が「移籍したい」であったと伝えている。
 
 さらにロティート会長はミランから3500万ユーロ(約44億8000万円)、ウェストハムから3200万ユーロ(約41億円)、ナポリから3000万ユーロ(約38億4000万円)のオファーがあったと暴露。だが、ケイタ側は3クラブに関心を示さず、ユーベ移籍のみを希望したという。
 
 そのユーベとラツィオは、前述のように、移籍金額で合意に達していない。ロティート会長は、「彼らは1500万ユーロ(約19億2000万円)を適切と考えているが、受けたオファーの中でも最安値の、そのさらに半額で売ることなどできない」と、オファーを突き放している。
 
 過去にも移籍を巡って選手と対立してきたロティート会長は、「ケイタのことだけでなく、イタリアでも欧州でも全体的な動きに根深い問題がある」とコメント。「代理人は権力を乱用している。大改革が必要だ」と、代理人システムへの不快感も隠さない。
 
 現況をみれば、8月31日の移籍市場最終日までに去就問題が解決しない可能性もある。その場合、ラツィオは契約最終年のケイタにプレー機会を与えるのだろうか。

 ロティート会長は「起用するかどうかはインザーギ監督が決める。フリーでの退団に関しては、仕方がない。ルールを順守するほうが大切だ」とコメント。「受け入れなければフリーで失なうと言われるのは、脅しのようなもの」と、選手サイドに譲らない強気な態度を見せているが……。