「バルサは眠っている」 機能不全気味の下部組織にクラブのレジェンドが警鐘

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近年、下部組織から主力に上り詰めたのはセルジ・ロベルトらごくわずか

 バルセロナはエルネスト・バルベルデ新監督の下、新シーズンに2シーズンぶりのリーガ・エスパニョーラ優勝、そして2014-15シーズン以来となるUEFAチャンピオンズリーグ制覇を目指す。

 しかし、かつてクラブのレジェンドだった元スペイン代表MFシャビ・エルナンデス(アル・サッド)が、クラブの根幹だったはずの下部組織が“機能不全”に陥りつつあると警鐘を鳴らしている。

 シャビはスペインの雑誌「THE TACTICAL ROOM」のインタビューに応じた。

 自らも所属したカンテラ(下部組織)について「プジョル、イニエスタ、メッシ、ビクトール・バルデス、ピケ……ペドロとブスケッツも下部組織を経験してきた。それは上手くいっていた」と、育成システムで数々の名選手が生まれたことを誇っている。

 ただ近年では、下部組織から主力に上り詰めた選手はスペイン代表MFセルジ・ロベルトらに限られる。下部組織、Bチームからの昇格こそがチームの底上げになると考えているシャビは、こうも話している。

「Bチームから10人くらいはトップに…」

「まず最初の疑問として、どれだけの選手がトップチームでプレーする能力を持っているのだろうか? その答えに関しては、あまりポジティブなものではない。Bチームからは6、8、いや10人くらいはトップチームに加わってほしい。トップチームの監督は選手が怪我した場合に、サイドバックや中盤に頼らざるを得ない。それこそがアカデミーが存在する理由だ。今のところ、バルサは“眠っている”と思う」

 生命線であるはずの下部組織から第2のメッシ、イニエスタが生まれていない――。現役引退後は指導者としてのバルサ復帰が噂されるシャビだけに、古巣の現状は気になるようだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images