台湾大学保存の「高砂義勇隊」遺骨、約60年ぶりに里帰りへ

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(花蓮 7日 中央社)台湾の原住民(先住民)ブヌン族が台湾大学に対し、標本として保存されていた同族先人の遺骨64体の返還を求めた。大学側がすでに返還の意思を表明していることから、時期や方法などで合意を得られれば、57年ぶりの里帰りがかなう。

台湾大学医学部は1960年、東部にあるブヌン族の村・馬遠(花蓮県)で64体の遺骨を掘り起こして持ち帰り、自然人類学の研究用標本として保存してきた。大学側は、村民の了承を得て無縁仏の遺骨を収集したとしている。

一方で、当時家族など関係者の同意はなかったと主張する村民らが先日、団体を結成、大学側に遺骨の返還を働き掛けるとともに、記念碑の建立や謝罪を要求した。

団体のメンバーによると、これらの遺骨には、太平洋戦争時に原住民によって編成された日本軍の部隊「高砂義勇隊」の隊員も多数含まれるという。

(李先鳳/編集:塚越西穂)