ロジャー・フェデラー【写真:Getty Images】

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ホップマンカップで復帰した35歳

 今月2日の国別対抗戦「ホップマンカップ」(オーストラリア・パース)で復帰を果たしたロジャー・フェデラー(スイス)。テニス界を長年牽引してきた35歳は左膝の負傷で昨年の大半をリハビリに費やしてきたが、同日復帰戦に臨み、ダニエル・エバンズ(英国)を6-3、6-4のストレートで下した。

 フェデラーは昨年2月に左膝内視鏡手術を実施。全仏オープンを腰痛のために欠場し、四大大会連続出場記録は65回でストップした。その後、ウィンブルドンに出場したものの、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)との準決勝で左膝を痛め、状態が悪化。リオデジャネイロ五輪や全米オープンの出場を回避し、休養していた。

 かつて世界ランキング1位に君臨し続けたフェデラーも、負傷によって世界16位にまで落ちたが、復帰戦では鋭いストロークやジャンプしてのスマッシュなどを見せた。 オーストラリア紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」電子版もその様子をレポート。取材に応えたフェデラーは「それがナーバスにさせるものだとしても、私が一番戻りたかった瞬間がここにあった。これこそがテニスをする理由だ。当然あまり多くを期待してはいなかったので、最初の試合としてはとても素晴らしい試合だったと思う」と振り返っている。

 今月開幕する全豪オープンに向けて復活の一歩を歩み出したフェデラー。記事の中で「頂点に立つのは非常にタフだ。この時点でも、とてもいい選手がたくさんいるし、若手も多く台頭している。もちろんギャップはそれほど大きくない。自分自身にもチャンスがあると思うし、今後何が起こるか見ていきたいと思うよ」と気を引き締めつつ、復活へ意欲を燃やしている。

 男子テニスは昨年終盤にアンディ・マレー(英国)が世界1位に浮上。2位にノバク・ジョコビッチ(セルビア)、3位にラオニッチ、4位にスタン・ワウリンカ(スイス)、5位に錦織圭(日清食品)と続いている。ニック・キリオス(オーストラリア)ら20代前半の若手も成長する中、計17回のグランドスラム制覇を経験したレジェンドは世代交代の波に立ち向かおうとしている。