経済発展に伴い、中国各地で高層マンションが建設されたが、日本のマンションに比べて中国のマンションは年数経過による建物の劣化が速いようにも見える。こうした違いは一体どのような要因によって生じているのだろうか。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供、2009年、建設中に仰向けに倒れた上海市内のマンション) 

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 経済発展に伴い、中国各地で高層マンションが建設されたが、日本のマンションに比べて中国のマンションは年数経過による建物の劣化が速いようにも見える。こうした違いは一体どのような要因によって生じているのだろうか。

 中国メディアの新浪はこのほど、築25年の中国のマンションと、築60年の日本のマンションを比較する写真を掲載し、中国のマンションの劣化が日本に比べて異常に速い理由について考察している。

 記事が掲載した写真を見てみると、築25年という中国のマンションはすでに外壁が黒く変色しており、窓に設置されている柵も錆びて茶色くなっているのがよく分かる。中国では築25年の建物とはこのようなものではあるが、日本の基準で見れば「築50年」と言われても納得できる劣化ぶりだ。

 一方、記事が掲載した築60年の日本のマンションは高度経済成長期あたりに建てられたと見られる大規模な団地のような建物だが、壁は白く、定期的に修繕が行われているのが良く分かる。とても築50年には見えない建物だ。

 建物の劣化は定期的に修繕を行えばある程度は防ぐことができるが、日本と中国のマンションの「経年劣化」の程度にこれだけの差が生じる要因は他に何があるだろうか。記事は中国では「土地」の扱い方が日本と大きく異なり、所有権を手にすることはできず、40年から70年までの「使用権」を購入するだけであることを指摘。

 そのため、建築士は土地の使用期限を超える耐用年数の建築物は設計しないと指摘し、マンションディベロッパーも同様に土地の使用期限を超える建築物は建設しないのだと伝え、「中国の建築物の寿命は技術ではなく、政策によって決められているようなものだ」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供、2009年、建設中に仰向けに倒れた上海市内のマンション)