こちらは中国版のご夫婦(チャン・ウェイシンとリー・リチュン)

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 今年3月に公開された山田洋次監督の喜劇映画『家族はつらいよ』が『麻煩家族(マーファン・ジャーズー)』(日本語で「やっかいな家族」の意味)としてリメイクされ、中国で来年4月に公開予定であることが明らかになった。『男はつらいよ』シリーズや『たそがれ清兵衛』などの山田監督は1961年に公開された『二階の他人』で映画監督デビューを果たして以降、50年以上のキャリアを誇るが、監督作が海外でリメイクされるのは今回が初めてだ。

 『家族はつらいよ』は渥美清さん主演の国民的映画シリーズ『男はつらいよ』以来、山田監督が20年ぶりに手がけたコメディー作品。橋爪功、吉行和子、妻夫木聡、蒼井優らが出演し、結婚50年を迎えた夫婦に突如として訪れた離婚の危機と、それを機にため込んできた不満が噴き上がる家族の姿を描く。来年初夏には、続編『家族はつらいよ2』の公開を予定している。

 山田作品初の海外リメイクを企画したのは、以前から山田監督と親交のあった中国の映画プロデューサー、グ・シャオドン。家族の中で起こる騒動は万国共通だと考えたグは、6月に本作が上映された第19回上海国際映画祭での現地観客の大喝采を見てリメイク実現へと本格的に動きだし、11月14日(現地時間)にクランクインを迎えたという。

 山田監督のオリジナル版を最大限に尊重した脚本作りを目指し、物語の舞台を北京市内に移した作品では中国の名匠チェン・カイコー監督の映画『人生は琴の弦のように』に俳優として出演し、演出や監督業もこなすホワン・レイがメガホンを取る。『HERO』『単騎、千里を走る。』などのビル・コンがエグゼクティブ・プロデューサーを務めるこの作品の日本での公開は未定だが、中国国内5,000館という大規模公開が予定されている。(編集部・海江田宗)