インドの高速鉄道計画において、日本は新幹線の採用をインド側に積極的に働きかけている。すでにムンバイとアーメダバードを結ぶ路線では新幹線を導入することで日印が合意しているが、安倍晋三首相はこのほど訪日したモディ首相に対し、残る6路線においても新幹線を採用するよう積極的なトップセールスを展開した。(イメージ写真提供:(C)Jaroonrat Vitoosuwan/123RF.COM)

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 インドの高速鉄道計画において、日本は新幹線の採用をインド側に積極的に働きかけている。すでにムンバイとアーメダバードを結ぶ路線では新幹線を導入することで日印が合意しているが、安倍晋三首相はこのほど訪日したモディ首相に対し、残る6路線においても新幹線を採用するよう積極的なトップセールスを展開した。

 インド高速鉄道計画における受注競争では、日本が競合相手を一歩リードしていると言えるが、中国メディアの緯度財経は19日、「インド高速鉄道計画における受注競争で、中国は日本に敗れたのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、ムンバイとアーメダバードを結ぶ路線では、すでに新幹線の導入が決定的となっていることを指摘しつつ、これを「日本の勝利」と見なす報道があることを指摘する一方、「中国は同路線における受注競争に参加していなかった」と主張。さらに、日本は2009年からインド側との交渉を始め、14年にモディ氏がインド首相となると、安倍首相と個人的にも良好な関係を築いたとし、「そもそもムンバイ-アーメダバード間の路線は中国が入り込む余地がなかった」と論じた。

 続けて、インド高速鉄道計画における中国の弱みは「日印関係に比べ、中印関係が良好でも親密でもないこと」だと指摘し、日本とインドは経済面、政治面の両面において「対中国」という点で一致していると主張。

 また記事は、中国には豊富な資金力があるとしながらも、中国の借款の金利は2-2.5%が一般的であるものの、日本はムンバイ-アーメダバード間の建設でわずか0.5%の金利を提案していると紹介。そもそも中国は「中国はムンバイ-アーメダバード間の路線における受注競争に参加していなかった」とし、「インド高速鉄道計画における受注競争で、中国は日本に敗れたわけではない」と主張している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Jaroonrat Vitoosuwan/123RF.COM)