日本の伝統的な薬味であるワサビを使ったハンドクリームが発売されている。考案したのは、トリニダード・トバゴ出身のクリエイティブディレクターであるロジャー・フランシス・クラーク氏。
日本人にとってワサビは普段口にしている身近な植物なだけに、化粧品に使用するというアイデアは驚きだ。ロジャー氏は、なぜワサビをハンドクリームにしようと考えたのだろうか。



ワサビは“スパイス”ではなく“ハーブ”


「以前、香木でできたブレスレットを作り上げていった過程で『人は良い匂いをさせたいのではなく、悪い臭いをさせたくない』と思っていることに気づきました」と話すロジャー氏。
ある時、日本では古来からワサビを薬草として使っていたことを知り、ワサビについて深く調べていくようになって、すごくおもしろい物だと思うようになったという。
当初は消臭剤として作っていたが、匂いを気に入ったため、ワサビでボディケア商品を作ろうという考えに至ったそうだ。
「ワサビは元々“スパイス”ではなく“ハーブ”ですよね」とも語っていた。

ツーンとしない爽やかな香り



ラインアップは「RFC ドライリリーフ “wasabi”ハンドクリーム(60ml)」と「RFC “ヤックアウェイ”“wasabi”ハンドジェル 60g」の2種類でどちらも税込み2,800円。ヤックとは、気持ちの悪い物や汚い事を表すスラングで、日本語の「オエッ!」「ゲーッ!」にあたる。どららもワサビエキスをコア成分とし、クリームは99%以上を天然成分を使用、ジェルはタール系色素、合成香料、防腐剤を使用していない。


筆者も実際に使ってみた。なにせ、ピリッと辛く、鼻を通るとツーンとするあのワサビが含まれている。恐る恐る手につけてみたが、まったくヒリヒリしなければ、鼻を突き刺すあの匂いもない。むしろ優しい肌触りでベタつかず、爽やかな香りだ。今年4月に香港で発表した際も注目が集まったという。
「使ってくれた人は皆『良い匂いですね』と言ってくれています」(ロジャー氏)

「食べる」以外の新しいワサビの魅力を体験してみてはいかがだろうか。