ローカル番組の買い物ゲーム「遠距離操作5分ショッピング」が熱い！
長野の実家に帰省するたび、楽しみにしている番組がある。
テレビ信州『ゆうがたGet!』月曜の1コーナー「遠隔操作5分ショッピング」だ。
これは、ハガキで応募し、番組から電話をもらった「挑戦者」が「3000円、5000円、1万円」の3つから設定金額を決めて買い物ゲームスタート→挑戦者は電話でスーパーの店長と現地にいるアナウンサーに欲しい品物を次々に伝える→5分間の買い物の合計金額が設定金額の±500円以内なら「成功」で、商品がもらえるというもの。
テレビの買い物ゲームというと、昔人気があった『がっちり買いまショウ』（1963年〜1975年）などを思い出すが、このコーナーは「挑戦者が自宅から電話で買い物する」ことがポイント。
そのため、「米5キロお願いします！」「サラダ油も！」「ビールもください」「牛肉を」「ニンジンとジャガイモと」などと電話で指示し、それを聞いた店長とアナウンサーが小走りで商品を探してカゴに入れていくという流れ。視聴者は「米は基本だな」「ビールは欲しいよね」「ビーフカレー作るのかい!?」「ちょっと欲張りすぎじゃない？」などとツッコみながら見る楽しみがある。
毎週異なる長野県内のスーパーの店舗で行うこと、野菜など、時期によって値段が大きく変動するモノがあることも、ゲーム性を高めている。
『ゆうがたGet!』は1999年から続く長寿番組で、その１コーナー『遠隔操作5分ショッピング』は2014年3月31日から2016年11月14日（月）現在で132回放送を数える。
そもそものきっかけについて、テレビ信州報道制作局情報番組部・部次長で『ゆうがたGet！』プロデューサーの高木真一郎さんは言う。
「2年前に番組を大きくリニューアルしたのですが、その際、VTRを作って2時間生放送をもたせるにはローカル局では体力的に厳しいこと、VTRばかりになると生の感じが全くしないことなどから、『生で、尺がとれて、面白いキラーコンテンツを作らないといけない』ということになりまして。そんななか、目をつけたのが、5時台に入るタイミングでした。5時は、どの局も全国ニュースをかけていて、ニュース合戦になっている。ニュースラッシュに勝つには、ローカルニュースをやってもダメ。だったら、真逆の要素で、かつ生のものにしようと考えたのです」
しかし、お花やグルメの生中継をやってもあまり面白みがないし、5時は冬場になると外が真っ暗になってしまう。また、メインターゲットが50代以上の女性ということもあり、誰もが関心を持つ「お財布とお買い物」に着目。さらに、「挑戦者に得をさせてあげる」という狙いで、買い物ゲームを思いついたそう。
毎週「挑戦者」にはスタッフがあらかじめお昼に一度電話をして家にいてもらい、16時50分頃に再び電話をしてゲームがスタート。
会場となる店舗は毎回どこかわからないが、全県にあるA・コープが多いことから、夕方までに近所の店舗に「予習」に行く人も多いそう。
「電話をする挑戦者の隣に『参謀』のお父さんがいて、電卓をたたきながら『いや、まだまだ行ける』などとアドバイスすることも多いですよ」
3つの設定金額の中で「1万円」を選ぶ人が多いが、最初に米やビールという「大物」を積み、微調整していくのが基本パターン。
ちなみに、ゲームの成功率は約50％とか。
また、「得をさせてあげる」ことが目的のため、スタジオでもMCが電卓をたたきながら、「ちょっとオーバーですかねえ」などと声をかけつつ、なんとか成功させようと一緒に考える。
「ゲーム終了後に電話でお話しすると、成功しても失敗しても皆さん興奮状態で、試合後の余韻に浸るように茫然としています（笑）。スタッフと一緒に戦っている感覚があるので、ダメでも清々しく、後でお礼の手紙をいただくことも多いですよ」
終了後にはスタッフ間の「反省会」があり、真剣な話し合いが行われるそうだ。
「反省会でよく出る『成否の分かれ目』は、シャウエッセン。毎回、最終コーナーはだいたい加工肉の棚になるんですが、『あそこでなんでシャウエッセン入れた？』ということが多いですね（笑）。『燻製屋や香燻だったらもう少し安いから、セーフだったのに』とか。あとはビールを500mlにするか350mlにするか、あるいは発泡酒にするか、牛肉なら輸入にするか信州産にするかなども分かれ目になりますね」
「遠隔操作5分ショッピング」への視聴者の食いつきは非常に良く、視聴率はコーナー枠で平均10％程度、最高で13％近くにものぼる。
世界的なニュースがあっても、国内で大きなニュースがあっても、「この時間だけは観る」という視聴者が多い、まさしくキラーコンテンツなのだ。
（田幸和歌子）
『ゆうがたGet!』（テレビ信州・日本テレビ系列／月〜金曜。午後3時50分〜5時53分）
テレビ信州『ゆうがたGet!』月曜の1コーナー「遠隔操作5分ショッピング」だ。
これは、ハガキで応募し、番組から電話をもらった「挑戦者」が「3000円、5000円、1万円」の3つから設定金額を決めて買い物ゲームスタート→挑戦者は電話でスーパーの店長と現地にいるアナウンサーに欲しい品物を次々に伝える→5分間の買い物の合計金額が設定金額の±500円以内なら「成功」で、商品がもらえるというもの。
そのため、「米5キロお願いします！」「サラダ油も！」「ビールもください」「牛肉を」「ニンジンとジャガイモと」などと電話で指示し、それを聞いた店長とアナウンサーが小走りで商品を探してカゴに入れていくという流れ。視聴者は「米は基本だな」「ビールは欲しいよね」「ビーフカレー作るのかい!?」「ちょっと欲張りすぎじゃない？」などとツッコみながら見る楽しみがある。
毎週異なる長野県内のスーパーの店舗で行うこと、野菜など、時期によって値段が大きく変動するモノがあることも、ゲーム性を高めている。
真逆の発想でニュース激戦区へ
『ゆうがたGet!』は1999年から続く長寿番組で、その１コーナー『遠隔操作5分ショッピング』は2014年3月31日から2016年11月14日（月）現在で132回放送を数える。
そもそものきっかけについて、テレビ信州報道制作局情報番組部・部次長で『ゆうがたGet！』プロデューサーの高木真一郎さんは言う。
「2年前に番組を大きくリニューアルしたのですが、その際、VTRを作って2時間生放送をもたせるにはローカル局では体力的に厳しいこと、VTRばかりになると生の感じが全くしないことなどから、『生で、尺がとれて、面白いキラーコンテンツを作らないといけない』ということになりまして。そんななか、目をつけたのが、5時台に入るタイミングでした。5時は、どの局も全国ニュースをかけていて、ニュース合戦になっている。ニュースラッシュに勝つには、ローカルニュースをやってもダメ。だったら、真逆の要素で、かつ生のものにしようと考えたのです」
しかし、お花やグルメの生中継をやってもあまり面白みがないし、5時は冬場になると外が真っ暗になってしまう。また、メインターゲットが50代以上の女性ということもあり、誰もが関心を持つ「お財布とお買い物」に着目。さらに、「挑戦者に得をさせてあげる」という狙いで、買い物ゲームを思いついたそう。
成否の分かれ目は、「あの」商品!?
毎週「挑戦者」にはスタッフがあらかじめお昼に一度電話をして家にいてもらい、16時50分頃に再び電話をしてゲームがスタート。
会場となる店舗は毎回どこかわからないが、全県にあるA・コープが多いことから、夕方までに近所の店舗に「予習」に行く人も多いそう。
「電話をする挑戦者の隣に『参謀』のお父さんがいて、電卓をたたきながら『いや、まだまだ行ける』などとアドバイスすることも多いですよ」
3つの設定金額の中で「1万円」を選ぶ人が多いが、最初に米やビールという「大物」を積み、微調整していくのが基本パターン。
ちなみに、ゲームの成功率は約50％とか。
また、「得をさせてあげる」ことが目的のため、スタジオでもMCが電卓をたたきながら、「ちょっとオーバーですかねえ」などと声をかけつつ、なんとか成功させようと一緒に考える。
「ゲーム終了後に電話でお話しすると、成功しても失敗しても皆さん興奮状態で、試合後の余韻に浸るように茫然としています（笑）。スタッフと一緒に戦っている感覚があるので、ダメでも清々しく、後でお礼の手紙をいただくことも多いですよ」
終了後にはスタッフ間の「反省会」があり、真剣な話し合いが行われるそうだ。
「反省会でよく出る『成否の分かれ目』は、シャウエッセン。毎回、最終コーナーはだいたい加工肉の棚になるんですが、『あそこでなんでシャウエッセン入れた？』ということが多いですね（笑）。『燻製屋や香燻だったらもう少し安いから、セーフだったのに』とか。あとはビールを500mlにするか350mlにするか、あるいは発泡酒にするか、牛肉なら輸入にするか信州産にするかなども分かれ目になりますね」
「遠隔操作5分ショッピング」への視聴者の食いつきは非常に良く、視聴率はコーナー枠で平均10％程度、最高で13％近くにものぼる。
世界的なニュースがあっても、国内で大きなニュースがあっても、「この時間だけは観る」という視聴者が多い、まさしくキラーコンテンツなのだ。
（田幸和歌子）
『ゆうがたGet!』（テレビ信州・日本テレビ系列／月〜金曜。午後3時50分〜5時53分）
