いつもお世話になっている取引先の人への手土産や、何かイベントやパーティなどがある際や社内への差し入れまで、ビジネスパーソンは何かと差し入れなければならないシーンがある。「ものは何でもよい。気持ちが大事だ」などとよくいわれるが、現実は少し違う。ものが復刻版ビックリマンチョコだったり、適当なコンビニスイーツだったりすると、ウケは良いかもしれないが、「そういう人なんだ」と一生忘れられないほどの強い印象を持たれてしまい致命的になる。

差し入れは、いったいどういうポイントで選べばいいのか、そしてどうやって最も良いものを見つけられるのか。その極意を、現役の社長秘書で、手土産に詳しい日本橋コンシェルジュたんぽぽさんに教えてもらった。

好感度の上がる究極の差し入れを選ぶ方法


まずは、好感度の上がる「究極」と呼ぶべき差し入れを選ぶポイントを聞いてみた。

「個人であれば、その方のご出身やゆかりのあるもの、好物などを考慮し、希少価値の高いものを選択します。企業であれば、個別包装で話題の最先端になるものを考慮し選択します」

好感度を上げるには、当然あげる相手のことを十分配慮しなければならないようだ。個人の場合、どう攻めればいいのかが分かった。やはり「出身地ねらい」が効くようだ。企業は個別包装で気を利かせるだけでなく、話題を提供するというのもさすがである。

この究極の差し入れ、数ある品の中から、どうやって見つけているのだろうか?

「私はフードアナリストなどの資格を取ったり、お酒も自身が好きなので一口ワイナリーのオーナーになったり、日本酒の会・ワイン会などに足を運び、積極的に新製品へのアンテナを張って、実際に自分で食べてみるなどして選んでいます。また、人脈を駆使して、『これぞ』という逸品を見つけることもあります」

資格まで取ることはむずかしいにしても、常にアンテナを張り巡らせて、人を含めた情報収集を欠かさず、実際に食べてみること。これが重要であるようだ。

3つのシーン別!最高の差し入れは?


実際、たんぽぽさんは、3つのシーン別に最高の差し入れを選ぶとすると、どんな差し入れを選ぶのだろうか。具体的に挙げてもらった。

○取引先へ持って行く手土産
<個人への手土産>
甘いものが好きなら
・「ケンズカフェ東京」のガトーショコラ
・「和光」のマロングラッセ(秋季のみ)

甘いものが苦手なら
・「更科堀井」の新そば(秋季のみ)<細く長いお付き合いの意味を持ちます>
・「和光」の焼き海苔

<企業への手土産>
・「タダシ ヤナギ」(2016日本の名工)の焼き菓子
・東京ステーションの「とらや」の一口羊羹<包装がここだけ東京駅デザインで、オレンジの紙袋です>
(※いずれも地方に持参することも考えての選出)

都内の場合
・「小川軒」のレーズンウィッチ
・「ニコラハウス」か「白鬚(しろひげ)」のシュークリーム
これらが、抜群によろこばれます。

○イベントに参加するときのスタッフへの差し入れ
年齢層、男女比に合わせて検討します。

・「築地 天むす」(松屋銀座店)の天むす
・「柳屋」(人形町)のたい焼き
・「まい泉」のカツサンド
・「サンドイッチパーラーまつむら」(人形町)のドッグ各種
・「人形町 志乃多寿司」の稲荷巻物セット
・「リザラン」のピンチョス

○残業を頑張る社内への差し入れ
弊社は、ほぼ男性なので、ガッツリ系になります。

・「新川デリー」のカレーライス
・「銀だこ」のたこ焼き
・「吉野家」の牛丼などに加えてカップヌードル
・「浪花屋総本店」の焼きそば
・「おつな寿司」のいなり寿司
・「金子半之助」の天丼(奮発のとき)

有名どころだけでなく、話題性のあるものまで、実に豊富にラインナップされた。究極の手土産で好感度を上げるには、とにかく情報収集と逸品を見つけることが重要といえそうだ。
しかし、一度は、これらを差し入れされる身になってみたいものである。
(石原亜香利)

取材協力
「おいしい手土産 〜秘書のナイショばなし〜」
http://ameblo.jp/hisho-temiyage/