長谷部とのコンビが板についてきた山口。自身はボール奪取力に絶対の自信も、ハリルホジッチ監督からは、果敢なミドルシュートなど攻撃面での働きも期待されている。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト編集部)

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 11月7日、キリンチャレンジカップのオマーン戦と、アジア最終予選のサウジアラビア戦に挑む日本代表が、鹿嶋市内でトレーニングを行なった。
 
「ひとつのポジションにふたり」が基本ルールのハリルジャパンにおいて、今回の招集メンバー25人のなかで、2ボランチには計4人が選出された。
 
 長谷部誠、山口蛍、永木亮太、井手口陽介だ。
 
 どちらかと言えば、ゲームを作るタイプではなく、守備力に秀でる4人という顔ぶれである。しかし、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「ディフェンシブとオフェンシブ」と線引きをしているようで、長谷部と永木をディフェンシブ、山口と井手口をオフェンシブと分類している。
 
 指揮官は2ボランチの組み合わせは「補足関係」を重視しているだけに、試合ではそれぞれのタイプからひとりずつがピックアップされ、ピッチに立つことになるはずだ。
 
 初招集の井手口は、山口との競争になる。20歳の若武者は「(タイプが)似ていると思う。そういう選手には負けたくない」と意気込む。
 
 一方の山口は、井手口について「あの年齢で代表に選ばれる選手だし、本当に凄いと思う」とその実力を認め、「けっこう怪物やな、と」印象を語る。
 
 現状の2ボランチのファーストチョイスは、キャプテンの長谷部が軸、そのパートナーが山口という序列だろう。
 
 J2のC大阪所属ながら、ハリルホジッチ監督から厚い信頼を寄せられている山口にとり、井手口の台頭は刺激となっているはずだ。下からの突き上げによって、「ボールを奪いに行く力は一番、ある」と自信をのぞかせる男の奮起に期待したい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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