「美少女をオカズにすればご飯3杯はいける」と、局地的に囁かれているそうです。筆者は聞いたことがなかったのですが……。
しかし、納得できる。美少女をオカズにすれば、ご飯3杯は軽いでしょう。楽勝でバクバクいけちゃう。

可愛い女の子が入ったお風呂のお湯を飲みたくはありませんか?


「Million Girls Project(以下、MGP)」は、『フィギュ碗』(税込39,800円)の予約受付をMGPオフィシャル通販サイトにて10月17日より開始しています。


フィギュアなのか? お碗なのか? とにかく、両者の要素を兼ね備えてることは見るからにわかります。

『フィギュ碗』商品ページ へ行くと、こんな文章を発見できます。
「『美少女をオカズにすればご飯3杯はいける』『美少女からは良い出汁が出る』 そんな世の中の『妄言』をMGPがついに具現化しました」
勇ましき豪語です。筆者も異論はありません。でも、本当にこの“妄言”は世に存在していたのだろうか……?
「大阪でオタクビジネスの社長をしている知人の話なのですが、マスコミの取材を受けた際、目の前に美少女フィギュアを“ドーン”と置かれ『これでご飯3杯食べてください』と言われたそうです。また『ピクシブ百科事典』には、『女体系出汁(おんなのこえきす)』というワードと共にフィギュ碗と同じコンセプトの画像が複数登録されています」(MGP 佐藤広昭さん)

「この2つの根拠を元に、『世の中の妄言』と記述させていただきました。可愛い女の子(だけ)が入ったお風呂のお湯、飲みたくはありませんか? 私は機会があれば、是非試してみたいです」(佐藤さん)
何も、そんな断言しなくても……。飲みたいけども。

この美少女は、いったい誰?


ところで、お碗に浸かっている子が誰なのか気になりません? この美少女の正体は、大人気イラストレーター・珈琲貴族先生のマスコットキャラクターである「青山澄香」です。


「『フィギュ碗』イメージイラストをお願いしたい先生を、何名かリストアップいたしました。そして、直接お会いしてご説明・ご相談することができ、『フィギュ碗』という変な商品に賛同してくださる方を探しました。その中で『ぶっ飛んでいて良い!』と言ってくださったのが、珈琲貴族先生だったのです。企画書をお送りし、ラフを拝見すると青山澄香が起用されていました。つまり『青山澄香』を起用したのは我々ではなく、イメージイラストを引き受けてくださった珈琲貴族先生自身なのです」(佐藤さん)


今回は、フィギュアの造形だけでなく器のデザインの監修も珈琲貴族先生が担当したらしい。道理で、ならではの仕上がりが実現しています。

“食べもの(飲みもの)に浸かるフィギュア”が存在しなかった理由


『フィギュ碗』は、完成するまでに様々な障壁を乗り越えています。まず、素材の問題。フィギュアの素材としてメジャーなPVCは熱に弱く、ABSでは塗料が溶け出してしまうらしいです。
そこでMGPは、日本に3人しか残っていないという伝説の職人を探し出す。彼らの瀬戸焼と美濃焼の技術を用いることで、『フィギュ碗』の商品化が実現したのです。



「まず、陶器でフィギュアを再現できるかが問題でした。最初はビスクドールから検討を開始し、西洋の磁器人形へと検討は広がり、最終的にリヤドロが理想に近いという結論に至りました。その後、国内でリヤドロ風の磁器人形を制作できる職人を探し、愛知県瀬戸市にあるアトリエで職人を見つけることができました。かつてはリヤドロ風の磁器人形を作ることができる職人が大勢いたそうなのですが、現在は3人しかいらっしゃらないのです」(佐藤さん)


「職人は現在も『ペコちゃん』等の磁器人形を手掛けておられますが、美少女となると勝手が違います。陶器製のフィギュアは焼くときに12〜13%縮みます。職人の腕を信じ、想像力を働かせながら造形を調整する作業は非常に苦労しました」(佐藤さん)

陶器製のフィギュアは、すでに作品として存在しています。また、お風呂に浸かっている様子を表現したフィギュアも商品化されている。しかし「食べもの(飲みもの)に浸かる」形のフィギュアは、少なくとも記者は初めて見ました。その理由はいくつかあるでしょうが、単純に製作するのが大変なんでしょう……。

本当は“お尻型のレンゲ”も作りたかった


製作時の苦労は、それだけじゃなかった。様々な問題点を理由に、『フィギュ碗』は完成へ至るまでいくつかの予定変更が余儀なくされています。
「当初、『フィギュ碗』は美少女が両手で器を掴んでいるデザインを予定していました。しかし、破損の可能性と塗装の問題から途中でデザインを変更しています」(佐藤さん)

またフィギュアを器に固定(装脱着)できるよう、器自体も一から製作したかったそう。
「しかし器までオリジナルで製作すると販売価格がさらに上がってしまい、ユーザーの皆様に大きな負担をかけてしまうことになります。あと、お尻型のレンゲも今回は諦めました」(佐藤さん)

エビ天を挟んだり、山芋をかけてみたり……


こうして、苦労の末に完成した『フィギュ碗』。このお碗(?)を使い、特に何を食べて(飲んで)ほしいとMGPは想定しているのでしょう。オススメの食べもの(飲みもの)はありますか?
「今回、イメージデザインは珈琲貴族先生にお願いしました。珈琲貴族先生がラーメンとコーヒーをこよなく愛していることはファンの間では有名です。ですので、ラーメンとコーヒーをオススメしたいです」(佐藤さん)


「個人的には、汁物全般がオススメです。エビ天を挟んだり、山芋をかけてみたり、皆様にいろいろな遊び方をしていただければと考えております」(佐藤さん)
ただ、器とフィギュアを同時に使用することは企業として推奨することができないとのこと。むしろ、責任が持てない旨が各所に表記されているようです……。

一つ完成するまでに6カ月以上かかる


そんな、今回の『フィギュ碗』のターゲット層は?
「まず第一に、珈琲貴族先生のファンの皆様です。第二に、新しい商品や変わった商品が好きな30代以上の男性でしょうか。部屋に置き友人にツッコまれるのを待つ方や、ラーメンなどを盛り付けて誰かを驚かせたり、写真を撮ってSNSに拡散したりするのが好きな方に喜んでいただけると信じております」(佐藤さん)
またメイド喫茶とコラボし、プラス100円で盛り付けの器が変わるサービス等も想定しているそうです。
「もちろん、フィギュアファンの方に認めていただけたらこれ以上に嬉しいことはありません」(佐藤さん)

そして、今後の展開について。
「『フィギュ碗』第2弾の構想はすでにできており、もう少し安価で使いやすい(洗いやすい)商品になると思います。イメージイラストをお願いしたい先生も考えてはおりますが、『我こそは!』という方がいらっしゃいましたら、ぜひMGPの方までご連絡ください」(佐藤さん)

最後に、MGPからの熱いメッセージをどうぞ!
「『フィギュ碗』の製作には6カ月以上、再生産には3カ月の時間が掛かります。職人が1つ1つ手作りで制作しているのがその主な理由なのですが、皆様の手元に届いた製品は世界に一つしかありません。ぜひ、大切に愛でてあげてください」(佐藤さん)
(寺西ジャジューカ)