経済に精通した専門家たちが、「史上最悪のバブル崩壊」が近々訪れると予測しているようです。そのバブルとは世界中の中央銀行が行っている「金融緩和」であり、崩壊の引き金となり得るのが、かねてから無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんが言及している「中国経済の崩壊」だと言います。遂にその日が訪れるのでしょうか? 北野さんが専門家たちの意見を引きつつ詳しく解説しています。

史上最悪のバブル崩壊が迫る???

アメリカの著名なアナリスト、マイケル・ペントさんは、「史上最悪のバブル崩壊が迫る!!!」と警告しています。

「史上最悪のバブル崩壊迫る」米著名アナリスト、ペント氏が警告

ZUU online9月26日(月)16時10分配信

 

ウォールストリートの米著名アナリスト、マイケル・ペント氏が「史上最悪のバブル崩壊」を警告した。

ええ!? 「史上最悪のバブル崩壊」って、08年から始まった「100年に1度の大不況」よりひどいのでしょうか?

2008年のリーマンショック後、強引な景気押しあげを狙った中央銀行が作りだした巨大なバブルが弾け、「すべての資産価値が暴落する」「リーマンショックがただの予兆であった」と悲観的な見解を示した。

(同上)

「強引な景気押しあげを狙った中央銀行が作り出した巨大なバブル」とは、世界中で行われている「金融緩和」のことです。

世界的な金融緩和政策で大量の紙幣が循環し、政府や企業の債券あるいは債務が膨張。低金利によってますます値上がりする債券価格とは対照的に、利回りは最低水準にまで落ちこんでいる。

 

この状態で「買い」に歯止めがかかれば、当然ながら債券価格の上昇は頭打ちする。その先に待ち受けているのは、リーマンショックをはるかに上回る規模の経済危機だ。

(同上)

要するに「金融緩和バブル」がはじけると、「リーマンショックをはるかに上回る規模の経済危機」に発展すると。

ペントさんは、「リーマンショックをはるかに上回る危機」がどのくらいの可能性で起こると考えているのでしょうか?

ブレーキがかかるどころか崩壊に向かって加速しているとしか思えない世界経済を目の当たりにし、「悲観的な状況だ。持ちなおすのは不可能だろう」と、秒読みにはいったバブル崩壊に最後の警鐘を鳴らしている。

(同上)

「持ちなおすのは不可能」だそうです。確信をもって、「リーマン以上の危機がくる」といっています。

中国経済が最大の脅威

ハーバード大学のロゴフ教授は、もっと穏健。それでも、「世界経済に危機が迫っている」ことを警告しています。危機の震源地は、中国になる可能性が高いと。私もそう思います。

中国経済の減速が最大の脅威 ロゴフ氏インタビュー

BBC News9月26日(月)18時34分配信

 

国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミスト、ケン・ロゴフ氏は中国経済の減速が世界経済にとって最大の脅威だとの考えを示した。BBCとのインタビューで述べた。

ロゴフ氏は、世界の経済成長のけん引役のひとつである中国経済が「ハードランディング」する可能性が全くないとは言えないと語った。同氏は、「中国は現在、大きな政治的革命のさなかにあり、経済の減速は公式な統計が示すよりもずっと大幅だろう」と述べた。

(同上)

「ハードランディングする可能性がまったくないとはいえない」そうです。

ソロスは、もっと露骨。今年1月時点で、「中国のハードランディングは不可避」と断言しています。

[ニューヨーク 21日 ロイター]

米著名投資家のジョージ・ソロス氏は21日、中国経済がハードランディングし、世界的なデフレにつながる恐れがあるとの見通し示した。

 

ソロス氏は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催されているスイス・ダボスからブルームバーグTVに対し、「ハードランディングは不可避」と言明した。「これは予想ではなく、実際に目にしていることだ」と述べた。

ソロスさんについては、賛否両論ありますが。この方は、リーマンショックが起こる8か月前に、「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終焉を意味する」と発言し、アメリカ発「100年に1度の大不況」勃発を予言しました。また04年時点で、アメリカの没落を予測していた。ですから、かなりアテになるのです。

中国経済の減速、ドイツ発の欧州危機。さまざまな専門家が、「世界的経済危機が迫っている」ことを警告しています。私的には、今の状態は、ちょうど10年前の06年ぐらいに似ているのかなと感じています。

07年にサブプライム問題が顕在化し、08年に世界的危機に発展していった。昔からの読者さんはご存知のように、RPEは、05〜06年時点で、

「アメリカ発の危機がくる」

「中国は、08〜10年に来る危機を乗り切る」

「中国は、18〜20年に再び危機になる」

と書いてきました。アメリカは予想通り没落し、中国は危機を乗り越え独り勝ち状態になりました。

中国は、AIIB事件が起こった去年3月時点で、「世界経済唯一の希望」でした。しかし、今年はもう「世界経済のお荷物」になっています。

いずれにしても世界経済に暗雲が漂いはじめています。過度に恐れる必要はありませんが、心の準備とできる対策を始めておきましょう。

image by: Shutterstock

 

『ロシア政治経済ジャーナル』

著者/北野幸伯

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出典元:まぐまぐニュース!