日本は部活動のおかげで好成績か?(C)Children's Hospital of Eastern Ontario

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カナダの東オンタリオ小児病院とモントリオール大学、豪サウスオーストラリア大学、米ノースダコタ大学の研究者らによる国際共同研究チームは、世界50か国の若者を対象とした有酸素運動能力調査を実施し、そのランキングを発表した。

子どものころから有酸素運動能力が高いと、その後も健康な状態を維持しやすいとされており、若者の有酸素運動能力は社会全体の健康状態の目安となる。研究チームは複数の国で調査を実施し、ランキング化することで、各国の公衆衛生上の問題に関して何らかの発見があると考えたという。

研究では、世界のさまざまな地域から50か国を選定。9〜17歳までの114万2026人を対象に実施された、有酸素運動能力測定「20メートルシャトルラン(往復持久走)」の結果を分析している。

20メートルシャトルランは、20メートル間隔で引かれた2本の線の間を、合図に合わせて往復し、折り返し回数が多いほど有酸素運動能力が高いとされる測定方法。合図の感覚は徐々に短くなり、2回連続で折り返せなかった場合に測定終了となる。世界的に条件が標準化されており、ごく一般的な測定方法として利用されている。

分析の結果、トップ10は「タンザニア」「アイスランド」「エストニア」「ノルウェー」「日本」「デンマーク」「チェコ」「フィンランド」「コートジボワール」「モロッコ」。アフリカや中欧・北欧が高い有酸素運動能力を示す傾向にある一方、例外的にアジアの日本が5位となっている。

一方、45位以下は「キプロス」「韓国」「米国」「ラトビア」「ペルー」で、最下位は「メキシコ」。40位台にはブラジルやアルゼンチンを含め南米の国が多かった。

発表は、2016年9月20日、英国医師会のスポーツ医学分野専門誌「British Journal of Sports Medicine」オンライン版に掲載された。

参考論文
International variability in 20 m shuttle run performance in children and youth: who are the fittest from a 50-country comparison? A systematic literature review with pooling of aggregate results
DOI: 10.1136/bjsports-2016-096224 PMID:27650256

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