好かれるコピー能力者は意外と少ない「食戟のソーマ弐ノ皿」4話

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週刊少年ジャンプで連載中の原作・附田祐斗、作画・佐伯俊のコンビによる人気マンガの第2シリーズ「食戟のソーマ弐ノ皿」の第4話が放送された。少年マンガあるある「コピー能力」の巻。


ファンから好かれるコピー能力者は意外と少ない


少年マンガには相手の能力をコピーするキャラクターがしばしば登場する。しかし、一口にコピー能力と言ってもそのパターンは意外と多い。

敵をまんまコピーして困らせてくる奴

ライジングインパクトのアシュクロフト、るろうに剣心の朱雀、ラッキーマンの相打ちマンなど。大体オリジナルには及ばなかったり、身体にガタがきて負ける。何度も登場するキャラクターはともかく、出番が一度の場合はかませ犬になりやすい。

過去にコピーした能力を使い分ける奴
ハンターハンターのクロロ、黒子のバスケの黄瀬、テニスの王子様の樺地など。例え本物より少し劣っていたとしても、状況に合わせて能力を使い分けるのでかなり強い。大体強すぎて出番が減る事になる。

サブウェポンとして持つ奴
キャプテン翼の大空翼、グラップラー刃牙のバキ、ハンターハンターのジンなど。他に自分オリジナルの技も持っている。便利過ぎるので都合によっては使わない。そのため、ピンチに陥った時「こういう場合こないだパクった技やればいいんじゃないの?」と、見るものに疑問を持たせてしまう。仮に他のキャラクターにそこを突かれても、なんやかんやで出来ない理由が後から出てくる。

強すぎたり個性が出なかったりと、ファンに好かれるコピー能力者は意外と少ない。では、今回タクミ・アルディーニの相手となる美作昴はどうだろうか?

キングオブストーカー・美作昴


能力はパーフェクトトレース。何週間も前から相手を徹底的に付け回し、人格までトレースして料理をコピーするという能力。コピー能力者には珍しい努力型だ。

そしてその料理に少しのアレンジを足すことによって今まで99戦もの食戟に勝利してきた。敵をまんまコピーして困らせてくるだけの奴かと思わせておいて、その技を超えてくるという「めだかボックス」黒神めだかの完成(ジ・エンド)以来の最強コピー能力者だ。

二人が作った料理はイタリアのドルチェ「セミフレッド」。タクミが卵を共立てで泡立たせるのに対し、美作は卵黄と卵白を別に泡立てシロップの吸収率を上げる。さらに生クリームにはマスカルポーネチーズを加えてコクを生み出し、小麦粉の大部分をアーモンドパウダーに置き換えより香ばしい生地に仕立て上げた。

タクミもオリーブオイルを使ったオリジナル調味料「レモンカード・イタリアーノ」を土壇場で編み出し、レモンの風味の強さで対抗する。しかし、それさえも美作の予想の範囲内、隠し味の塩レモンが決め手となり、僅差で美作に軍配があがった。

行動から表情まで本当にむかつく美作昴。こいつを好きになる少年は皆無のはずだ。しかし、食戟のソーマでは珍しい嫌われ役という意味では、存在価値が非常に高いキャラクターとなるだろう。ちなみに、原作では愛されキャラへと変貌を少しずつ遂げている。

タクミはこれからただのかませ犬になってしまうのだろうか…



美作は今まで戦った全ての相手から大事な包丁を奪い取ってきた。タクミの弟イサミとの絆である半月刀「メッザルーナ」も同じだ。

そんな美作と次に対決するのは、我らが主人公・幸平創真だ。美作が過去の対戦相手から奪ってきた100本の包丁に対し、創真は自分の料理人人生を賭けると宣言。いかに美作のパーフェクトトレースを抜け出すのか?創真いわく想像力の戦いは次話から始まる。

悪役に仲間の敵討ち。あんなにカッコ良かったタクミが、完全に引き立て役に成り下がってしまったのは残念。いつかもう一度スポットライトを浴びるタクミを心待ちにしている。

(沢野奈津夫)