蔡正元氏

写真拡大 (全2枚)

(台北 2日 中央社)海軍の錦江級哨戒艇「金江艦」(500トン級)のミサイルが誤って発射された事件に関して、軍の関係者が野党・国民党の蔡正元政策委員会執行長に機密を漏らした疑いが出ている。これを受けて林全・行政院長(首相)は2日、台湾高等法院検察署(高検)に調査の実施を指示した。

誤射は1日午前8時15分頃、台湾南部・高雄の軍港で発生。ミサイルは、台湾海峡にある澎湖諸島付近を航行中の漁船を直撃し、1人が死亡、3人が負傷している。蔡氏は同8時54分、自身のフェイスブック上に、発生時間や軍艦、ミサイルの名称などを事件が報道される前に投稿していた。

漏えい疑惑について、国防部(国防省)は同日、ミサイルの発射音を聞いた周辺住民から情報を得た可能性があると説明。だが、与党・民進党の羅致政・立法委員(国会議員)は、艦名などは一般人には判断できないと反論。情報を最初に把握していたのは軍だったと指摘していた。

蔡氏は、「私が台湾で4番目に大きなメディア」と述べ、情報源について回答を控える一方、疑惑に関しては、誤射は現場にいた軍関係者や記者など約600人が目撃していたと強調。隠すような情報ではないとしている。

(温貴香、謝佳珍/編集:杉野浩司)