平均身長差は約10cm、“規格外”の高さに麻也「頭を使ってやりたい」

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 単純な空中戦では勝機が少ないからこそ、柔軟なプレーが求められる。長身選手ぞろいのボスニア・ヘルツェゴビナと対戦する7日のキリン杯決勝に向け、日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)は「やりづらいかどうかは、自分たちがどうプレーするか次第。パスの出どころを抑えたり、セカンドボールを拾ったり、頭を使ってやりたい」と語った。

 3日の準決勝でPK戦の末、デンマークを下したボスニア・ヘルツェゴビナの先発11人の平均身長は187.3cm。一方、日本のブルガリア戦のスタメン平均身長は178.5cmだった。その差は約10cm。ハリルホジッチ監督もこの日の会見で「空中戦はかなり厳しくなるだろう。我々に185cm以上の選手はほとんどいないが、彼らにはたくさんいる。そこは我々にとって問題になる」と警戒していた。

 日本で185cm以上の選手は、185cmのDF酒井宏樹とGK川島永嗣、そして189cmの吉田だけだ。ボスニアはデンマーク戦で0-2の状況から198cmの長身FWミラン・ジュリッチ(チェゼーナ)が2ゴールを決めて同点に追いつき、PK戦を制した。その高さは“規格外”だ。

「フィジカル的に強いチームとやるとき、日本に不利な状況になることが多いが、(W杯アジア最終予選で対戦する)オーストラリアもロングボールを使ってくる。どう対応するかはこれから話し合っていきたい」。最終予選に向けたシミュレーションにもなると位置付けた。

 ボスニア・ヘルツェゴビナ戦はFW本田圭佑とMF香川真司が欠場する見通し。2人の不在はチームにとって痛手だが、吉田は「今まで出てない選手にとっては大きなチャンス。(レギュラーに)食い込んでいく選手が出てこないと。こないだの試合もキヨ(清武)はすごくよかった。他の選手も自分を出すチャンスになると思う」と、普段出場機会の少ない選手の奮起に期待する。

 国際Aマッチ通算49ゴールのFW岡崎慎司を除けば、今回のメンバーで本田(35得点)、香川(27得点)に次ぐゴール数を挙げているのが、ブルガリア戦で自身初の1試合2ゴールを決め、通算9得点となった吉田だ。

「(ゴールは)もう無理でしょうね。点は取りたいけど、こないだは(アシストの)モリくん(森重)とキヨのおかげ。自分はゴールエリアで触っただけ」。守備の中心としてだけでなく、“得点源”としても期待される背番号22は「(7-2で)大勝したあとだけに試合へのアプローチは難しくなる」とチームを引き締めた。

(取材・文 西山紘平)