2015年に日本旅行を楽しんだ中国人の数は約500万人、これは14年の約240万人の2倍以上の数字だ。初めて日本を訪れた中国人も多いだろうが、一度訪れた日本が楽しくて、再訪したという「リピーター」も存在するようだ。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 2015年に日本旅行を楽しんだ中国人の数は約500万人、これは14年の約240万人の2倍以上の数字だ。初めて日本を訪れた中国人も多いだろうが、一度訪れた日本が楽しくて、再訪したという「リピーター」も存在するようだ。

 中国メディアの新浪はこのほど、日本がこれほど多くの中国人を引き寄せることができる理由について論じている。

 記事は15年に日本旅行を楽しんだ中国人のうち、約3分の1の人びとが初めての訪日ではない「リピーター」であると紹介。仮に事実であれば160万人ちかくの中国人が2度目以上の訪日であるということになるが、記事はある出来事を通じて、日本にあって中国にはない1つの優れた特長が中国人を引き寄せていることを実感したと論じる。

 それは空港での出来事だ。中国人の筆者がターミナルのエスカレーターに乗り、しばらくして振り返ると、自分を空港まで送ってくれた運転手がまだターミナル入口から別れのあいさつをしてくれていた。注目すべきは、この運転手は日本人ではなく、日本に来て20年になる大連育ちの中国人であると説明している点だ。

 記事は日本のサービスの質の高さに驚くとともに、「中国人をこのように教育し、感化することのできる日本文明の力に驚嘆した」と説明。その驚きからわずか5分後、爆買いを楽しんだらしき中国人客が筆者に空港の利用方法について質問きたので、筆者は説明してあげたそうだが、その中国人は感謝の言葉すら述べずに立ち去ったのだという。

 記事は、この瞬間に中国と日本の教養の差を実感したと紹介。しかしさらに深く実感したのは、急速な経済発展を「遂げた後」の日中両国の民度の差だという。この記事が伝えようとしている「民度」とは、言い換えれば「心に訴える人の温かさ」と言えるかもしれない。

 乗客を空港に降ろした後も、乗客を1人の人間として扱い、時間を惜しまずに別れのあいさつをする心の温かさ。対照的に空港の利用方法を説明してあげても感謝の言葉を述べない光景の冷やかさ。日本が多くの中国人を引き寄せ、また多くのリピーターが存在するのもこうした温かさに原因があることを実感したようだ。そしてこうした日本の長所は、たとえ中国のGDPが日本の4倍になったとしても見倣うべき点であることに変わりはないと論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)