2011年の東日本大震災の発生から3月11日で5年目を迎えた。中国メディアも関連記事の多く発表しているが、復興の困難さを強調する記事が多い。台湾メディアも復興の困難さに言及する点では同様だが、一方で、被災者が懸命に立ち直ろうとする姿にも焦点を当てている。(イメージ写真提供:(C)yoshiyayo/123RF.COM)

写真拡大

 2011年の東日本大震災の発生から3月11日で5年目を迎えた。中国メディアも関連記事の多く発表しているが、復興の困難さを強調する記事が多い。台湾メディアも復興の困難さに言及する点では同様だが、一方で、被災者が懸命に立ち直ろうとする姿にも焦点を当てている。

 人民日報系の人民網は「東日本大地震5周年 再建は多くの問題に直面」の見出しで記事を配信した。1万8000人以上が死亡または行方不明になり、日本政府の試算によると、地震による直接の経済損失は16兆円から25兆円と、まず被害の大きさを紹介した。

 さらに、被害が最も大きかった岩手、宮城、福島の被災者500人を対象に実施したアンケートによると、7割の人が「思っていたよりも復興は遅い」と回答したと紹介した。

 国営ラジオ局の中国国際放送が運営する国際在線は、現在も2500人が行方不明と報道。警察や海上保安庁は今後も捜索を続けると紹介した。

 中国新聞社は「日本の大地震から5年:原発事故の後遺症、責任の追及と教訓」との見出しで記事を配信した。同記事は、「原発事故の現地経済と地域社会に与える影響は現在も大きい。多くの問題は、日本にとって震災後の復興に大きな制約になっている」と紹介した。

 具体的な問題としては、汚染のために帰宅できない人が2月現在でも9万9000人もいて、自殺者も出ていると指摘。また、食の安全問題でも不安が残っているとして、福島を訪れた安倍首相が不安を緩和しようと、焼き魚を丸かじりする写真も紹介した。

 責任問題については、検察が当時の東京電力幹部3人を業務過失罪で強制起訴したが、裁判は長引く見通しと紹介した。

 台湾の中央通訊社も特集連載を掲載した。復興の遅さを指摘するのは中国メディアと同様だが、「深刻な被災地の大槌町は悲しみを乗り越えて歩む。ブランド創出で再建、生き残りをかける」、「臨時商店街からは(本店を再建できたため)撤収が相次ぐ」など、被災者の立ち直りと心境にも焦点を当てた。

 中国大陸メディアとしては中国新聞社が、被災地の震災直後と現在を対比する写真記事を配信。インフラの再構築が進んでいることを読者に紹介した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)yoshiyayo/123RF.COM)