実際はしてない「想像妊娠」 どうしてなるの？
実際には妊娠していないのに、妊娠したような様々な兆候や症状が実際に身体にでてくることを「想像妊娠」といいます。精神状態が身体に影響を及ぼすのです。
誰にでも（たとえ男性でも）起こる可能性はあります。
どのようなことなのでしょうか。
想像妊娠とは
実際には妊娠していなのに、妊娠を強く願っていたり、逆に妊娠することを恐れていたり、また、神経質な女性や完璧主義な女性に多くみられるもので、偽妊娠ともいわれます。
症状は、生理の遅れや停止、つわり症状、乳房の張り・増大、乳首の黒ずみ、腹部の膨大、など、実際の妊娠と同じような徴候がでます。
胎動を自覚する人もいます。
しかし、医師の診断により妊娠していないこと、想像妊娠だと告げられることにより、それが認識できれば、すべての自覚症状は消えて行きます。
想像妊娠を確認する方法
想像妊娠かどうかを確認する検査は、次のようなものです。
妊娠検査薬
尿中に含まれているHCG（絨毛性ゴナドトロピン）は、増加せず陰性になります。
子宮内をエコー検査
胎児がいないのですから、医師に診察してもらえば確実にわかります。
どうして想像妊娠が起こるのか
想像妊娠は、その女性が妊娠したいと常に強く希望している時や、逆に妊娠したくない、絶対いやだという気持ちが強い時などに、症状がでてくることが多いとされています。
相手の男性の子どもがほしいとか、高齢なので今どうしてもほしい、逆に結婚前だから妊娠したくない、などという気持ちがストレスとなり、体調不良を起こし、想像妊娠に繋がっていきます。
かつては、「どうしても跡取りを生まなくてはいけない」という嫁としてのプレッシャーを感じて、想像妊娠に至った例もあるようです。
特殊な例ですが、アメリカでは男性にも想像妊娠のケースがあったようです。
そういえば、アメリカ映画『ジュニア』は、そんな題材の映画でしたね。
想像妊娠を避けるために
基礎体温をつける
妊娠していない基礎体温のサイクルは二相性で、低温相と高温相がありますが、実際に妊娠していると高温相が持続します。
しかし、想像妊娠では、高温相は通常と同じ二週間ほどで低温相に移行します。
ストレス発散をする
思いつめて強いストレスになっていますので、気分を替えるために自分なりのストレス発散方法を持っていることが大事です。
趣味に没頭できる、カラオケで大きな声で歌う、友達とカフェでおしゃべりなど。
産婦人科を受診する
不安になったら一人で悩んでいないで、産婦人科を受診して、相談してください。
想像妊娠ならば、医師からそう告げられると、症状がスッと消えて行きます。
最近では、妊娠判定試薬が市販されているので、すぐに検査ができるため、想像妊娠は減っている傾向です。
しかし、気持ちと身体は密接に繋がっているので、ストレスをためない生活をすることが重要です。
執筆者：南部 洋子（助産師）
監修医：坂本 忍（産婦人科）
