1つでも当てはまれば危険!「大腸がんリスクが高まる」NG習慣3つ

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2015年は元プロレスラーでタレントの北斗晶さんが乳がんであることを公表し、乳がんに注目が集まりました。しかし、女性のがんによる死亡率を見てみると、実は“大腸がん”の死亡率の方が高いことをご存知ですか?

がんの原因は遺伝によるものと生活習慣によるものがありますが、生活習慣を見直すことならば誰にでもできるはず。

そこで今回は、予防医療推進協会の理事長である筆者が、女性がついやりがちだけど“大腸がんのリスクを高めてしまう”生活習慣をご紹介します。

■1:食事制限によるダイエット

ダイエットの本来の意味は食事療法なのですが、日本では“減量”を指しますよね。

男性に比べて女性の方が、運動は苦手もしくは億劫だからと食事の量やカロリーを気にしたり、ダイエットに効果があると話題の食材に飛びついたりと、とにかく体重という“目先の数値”に重きをおく傾向が強くみられます。

しかし、年中食事制限をしていたら、十分な便をつくるために必要な量の食事がとれないのはもちろんのこと、水溶性食物繊維や不溶性食物繊維のバランスが取れず、慢性的な便秘になってしまいます。すると、大腸に便が長く留まり、老廃物や毒素を含んだ便と腸の内壁との接触時間が長くなってしまうため、大腸がんのリスクが高まってしまうのです。

■2:やりすぎ紫外線対策

日焼けやシミの原因として嫌われる紫外線B波。日焼けを防ぐためにSPF数値の高い日焼け止めを繰り返し使っている方も多いでしょう。しかし、やりすぎには注意が必要。

皮膚が紫外線B波を浴びると体内では“ビタミンD”が合成されます。国立がん研究センターの『多目的コホート研究』によると、血液中のビタミンDの濃度が低いほど“直腸がん”のリスクが高くなることがわかっています。

美肌のためとはいえ、“過度に”紫外線を避けすぎると思わぬリスクを伴ってしまう可能性があるのです。

■3:検診を受けない・病院に行かない

正社員として働いている場合に比べて、専業主婦や短時間のパート、派遣といった働き方をしている女性の健康診断の受診率は非常に低いのが現状です。

それに加えて、大腸がんの症状はひどくなると下血や血便といった症状が現れますが、早期では下痢と便秘の繰り返し、残便感、細い便、お腹の張り、腹痛、貧血、原因不明の体重減少といった“病院に行く程ではない”と考えてしまいがちなものが多いのです。むしろ、何もしていないのに体重が減ったら「ラッキー!」と思ってしまうかもしれませんね。

また、ひとつひとつの症状だけを見ると、食事に気をつけたり、サプリを飲んだりすれば改善されそうだと思ってしまいがちですが、これが女性の大腸がんの死亡率を高めている大きな要因だともいわれています。

いかがでしたか? 便という漢字は訓読みすると“たより”。便は体からのメッセージを伝える大切な“便り”だと思って、早めの受診を心掛けましょう。

【参考】

知っておきたいがん検診 - 日本医師会

※ 『多目的コホート研究』 - 国立がん研究センター

【著者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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※ Magdanatka / shutterstock