太平島

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(台北 28日 中央社)南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島・太平島を訪問した馬英九総統は28日、現地で談話を発表し、南シナ海を取り巻く問題を解決するため、争議を棚上げし平和互恵の観点から海洋資源の共同開発を目指す「南シナ海平和イニシアチブ」の意義を改めて強調した。

馬総統は、歴史的、地理的、国際法的に南沙、西沙(パラセル)、中沙(マクルスフィールド)、東沙(プラタス)諸島および周辺海域は中華民国固有の領土、海域であると主張。一方で、▽協力し衝突せず▽分かち合い独占せず▽実務的で固持せず――とする同イニシアチブの基本的枠組みを説明し、問題の平和的解決を目指す考えを示した。

また、各方面は迅速に話し合いを行い共通認識を形成する必要があるとした上で、南シナ海の安定と平和に悪影響を及ぼす行動の自制を約束するよう呼びかけた。信頼関係を構築し、海洋資源探査や犯罪防止などの協力を通じて、最終的には共同開発に結び付けたい考え。

一方、フィリピンなどが太平島を「岩礁だ」と主張していることについて馬総統は、「国連海洋法条約の定義に合致している島である」と反論。島の実情を理解していないのであれば、実際に見に来てほしいと語った。

今後は「救難に役立つ平和の島」「豊かな生態系の島」「エコの島」実現のため、引き続き積極的な開発や環境の保護に取り組むとしている。

(謝佳珍/編集:齊藤啓介)