宮野真守インタビュー 「どんなに離れていても、君は僕のそばにある」
声優、役者、アーティストとして多岐にわたる活躍を見せ、そのキャリアを高め続けている宮野真守。2度の全国ツアーを行い、5枚目となるオリジナルアルバム『FRONTIER』をリリースするなど、大充実だった2015年の音楽活動を経て、13thシングル『HOW CLOSE YOU ARE』を1月27日にリリースする大攻勢だ。自身が主役を務めるTVシリーズ『亜人』のEDテーマに決まっており、“人間”の心が宿す普遍的な愛を描く本作を巡る、ある“運命的”なエピソードから語ってもらった。

取材・文/照沼健太 デザイン/ないとうはなこ


ニューシングルは僕にとって大切な宝物



――13枚目となるシングル『HOW CLOSE YOU ARE』がいよいよリリースされますね。

実はこの曲、僕にとって特別な曲なんです。というのも、もともと僕がプロデューサーのJin Nakamuraさんからプレゼントしていただいた曲なんです。

――プレゼントというのは?

2014年、JinさんにLAで一緒に制作をしないか?と誘っていただいたのがキッカケで、『Magic』(11thシングル『BREAK IT!』収録)をアメリカでレコーディングすることになったんです。そうしてLAのスタジオに行ったら、Jinさんとアメリカで活躍されているプロデューサーのCJ VANSTONさんに「君のために曲を作って待ってたんだよ」と言われて。

――まさかのサプライズ!

そう、「なにそれカッコよすぎでしょ。ミュージシャン超ずるい!」って思いました(笑)。“どんなに離れていても、君は僕のそばにある”という歌で、それはLAと東京で遠く離れている僕とJinさんたちを象徴しているし、日本から遠く離れてLAに戦いに行く僕を讃えてくれた歌でもある。非常に嬉しくて、僕にとって大切な宝物になったんです。

――なるほど。それが今回リリースする『HOW CLOSE YOU ARE』の原曲なんですね。ところで、Jin Nakamuraさんは、宮野さんにとってどんな方なのでしょうか?

僕にとっては恩人です。デビューのときから携わってくれて、いろんなキッカケを与えてくれた方。自分の音楽活動においてターニングポイントとなるところには必ずJinさんがいるんです。仕事として、というよりも人間同士として向き合って言葉を交わしてくれて、それは僕にとっては恐縮しちゃう部分もあるんですけど、Jinさんが向き合ってくださるのは本当にうれしいですね。

――お互いに信頼関係ができているんですね。

だからこそ、LAのレコーディングもあったんだと思います。今振り返るとJinさんがLAに呼んでくれたことって、自分にとって本当に大きくて。なにか新しいことを始めるときって、怖くて尻込みしちゃうことってありますよね。でも、そういうときにJinさんの言葉やLAでの思い出がよみがえって、「これはチャンスなんだ」って背中を押してくれるんです。


殺伐とした世界の中にある“普遍的な愛”を描く



――プレゼントしてもらったのが2014年ですので、満を持してのリリースなんですね。

どのタイミングでリリースするか…それ以前にリリースするかどうかも何も決まっていませんでした。レコーディングするかどうかすらも。でも、とてもステキな曲だから、いつか絶対に形にしたい…そう思いながら活動を続けているうちに、すごく運命的な機会が巡ってきたんです。

――というのは?

すでに、『亜人』の主人公・永井圭を演じさせていただいているなかで、TVシリーズ『亜人』のEDテーマを歌ってほしいというお話をいただいて。最初は、この壮大な世界観を自分に表現できるだろうかと悩みました。でも、主人公の永井圭として演技をしているからこそ歌える歌があるはずじゃないかと思って。

――『亜人』は、全人類から狙われた高校生を巡るストーリーで、緊迫とした空気が漂うヘビーな作品ですよね。

殺伐とした世界観の中でも、主人公やその他のキャラクターが抱える想いや大切な人の存在というのは、作品を象徴するものだと考えていて、そうした普遍的な愛を表現するには、『HOW CLOSE YOU ARE』がとても良いと思ったんです。僕の宝物でもありますしね。

――CJ VANSTONさんの歌詞は、英語だったんですか?

はい。なので一度和訳してもらったうえで「僕はこういう主人公を演じていて、こういう歌を歌いたい」とお伝えして、『亜人』の世界観に加えて、人間の普遍的な愛を表現できるように、みんなで相談しながら制作していきました。

――ジャケット写真の、強さや優しさ、切なさが同居するような表情も印象的です。

もっと幻想的なアートワークにしようというプランもあったのですが、この仕上がりを見たときにみんなの意見が一致しました。『亜人』の世界観や、曲の持つ思いを表現するうえで、この自分の表情がそれを物語れるはずだと。

S__6685023――MVはいかがですか?

そうした世界観を、よりアート的に作りこんでいます。このMVでは、タイトルにあるような「どんなに離れていても、君は僕のそばにある」という思いを男女の関係として表現しています。男性としての僕はただ静かに歌い、女性側の気持ちはコンテンポラリーダンスで表現する。そんな静と動のコントラスト、そしてアートな演出が印象的なMVになったと思います。

――カップリング曲のひとつ『BLACK OR WHITE』はどういった楽曲ですか?

STYさんと打ち合わせして「今回はとにかく自由に作ってみよう」ということになって。そこで僕が「ゴリゴリのR&Bがやりたいです!」と伝えたら、STYさんが「僕もやりたい」と言ってくださったんです。

――本格的なR&Bですよね。

まさに! STYさんが得意とされている、今までにないくらいゴリゴリのR&Bです。まだ成就していない男女のやり取りが描かれた歌詞もスリリングなんですよ。

――そして3曲目となる『Crazy Wonder Night』は打って変わってロックチューン。

僕はいつもライブも意識した楽曲作りをしているのですが、これは現在行っているツアー『GENERATING!』の最中に思いついた世界観なんです。古びたバンで移動しているようなバンドが各地を回って「会いに来たぜ、今日は楽しもう!」って歌い出す…みたいな。ツアーには楽しいこともあればトラブルもありますが、でも全部思い出になる。だからライブでは最高に盛り上がろう!という楽曲です。

――シングルながらも幅広い楽曲群で満足度の高いシングルだなと思いました。

『HOW CLOSE YOU ARE』にはたくさんの思いが込められています。こうしてリリースできること自体に、僕自身とても喜びを感じているんですが、テイストがまったく違う3曲が入っているので、きっとみなさんにも楽しんでいただけると思います。




「挑戦」を続けた2015年の音楽活動を振り返って



――2016年も始まったばかりということで、2015年を振り返っていこうと思います。昨年2〜3月にはコンサートツアー『AMAZING!』を行いましたね。

『AMAZING!』は、2014年のアメリカでの音楽制作からの影響が大きかったツアーでした。LAでの制作、LAで観たもの、カルチャーショックを受けた部分もあったりと、自分にとって大きなインプットになったので、そうしたインプットから湧き出たアイディアをパフォーマンスに注ぎ込んでいきました。

――続く4月には12thシングル『シャイン』をリリースされました。

ゲーム主題歌に引き続き、TVアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズでは、毎回主題歌を担当させていただいているのですが、今回(『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ』)が3回目ということで、今までとは違うことに挑戦しようとガラッと楽曲の方向性を変えました。それに加えて、自分で作詞をさせていただきました。自分が演じているからこそ作品の世界観を表現できればとチャレンジした楽曲です。

――9月には通算5枚目となるアルバム『FRONTIER』をリリース。同作を引っさげてのツアー『GENERATING!』は昨年11月から始まり、現在まで続いています。

ライブでこういう演奏をしたいと想定しながら作ったアルバムですが、今ツアーを回っていて、楽曲たちが実際にどう輝くのかというのを日々実感しているところです。

S__6685023――今回のツアー先で印象に残っているものはありますか?

ツアーとして新たに回れる土地が増えたことが、本当にうれしいですね。僕のライブに初めて来られたお客さんがいて、自分にとって帰るべき場所が増えるという実感もあって…ライブの終わりに「また帰ってくるよ」と言えるのがすごくうれしいです。

――ツアー先でおいしいものは食べられましたか?

印象に残っているのは、広島の鉄板焼き屋さんで食べた「ウニホーレン」。ほうれん草にウニがのっているものなんですが、絶妙な味の混ざり具合でいくらでも食べられるなと思いましたね。ダンサーのみんなと同じ席だったんですけど、彼らも体を動かすから食べる勢いがすごくて、すぐに無くなっちゃって(笑)。いろんなスタッフの席を「食べないならもらおうか?」って見回りに行きました。がっちりガードされましたけど(笑)。

――(笑)。話がそれましたが、アルバムタイトル『FRONTIER』が「開拓」を意味する通り、2015年も未知なる分野に挑戦し続けられたんですね。

そうですね。自分の力だけじゃ経験できないようなことも周りのみんなに支えられて経験できました。いろんなスタイルのライブに参加したり、テレビで歌ったり、LAでMVも撮影できたりと、年々新しいことに挑戦できているという実感があります。そうした挑戦がまた経験となり、周りからもまた新しく認識されると、さらにチャレンジをさせていただけるようになるので、そんな流れをこれからも続けていきたいですね。

――そして2015年から続くツアーも、残すは1月30日と31日の武道館公演を残すのみとなりました。

武道館でやらせていただけるというのは、本当に自分にとってありがたいことです。あの会場の持つ神聖な空気に、いつも身が引き締まる思いでやらせていただいています。今回で武道館公演は3回目となりますが、自分としても本当にワクワクしていて、全力で臨めたらなと思っています。

――どういう内容になりそうですか?

それは企業秘密です(笑)。楽しみにしていてください!

【プロフィール】
宮野真守(みやの・まもる)/1983年6月8日生まれ、埼玉県出身。B型。7歳から子役として活動し、海外ドラマ「私はケイトリン」の吹替で声優デビュー。2008年よりアーティストとしての活動をスタートさせ、これまで5枚のアルバムをリリースしている。現在はツアー『MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2015-16 〜GENERATING!〜』の真っ最中。1月30日(土)、31日(日)に日本武道館で最終公演を行う。
【オフィシャルHP】http://miyanomamoru.com/
【ブログ】http://miyanomamoru-blog.com/


★★宮野真守さんのサイン入り色紙を抽選で2名様にプレゼント★★

今回インタビューさせていただいた、宮野さんのサイン入り色紙を抽選で2名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:1月25日(月)12:00〜1月31日(日)12:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/2月1日(月)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから2月1日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。2月4日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

■キャンペーン規約
・複数回応募されても当選確率は上がりません。
・商品発送先は日本国内のみです。
・応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
・応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
・当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
・商品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
・本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
・個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。