ニュージーランドの国旗は青をベースとして、左上にイギリス国旗のユニオンジャック、右側には南十字星を表す4つの赤い星を配置したデザインですが、隣国オーストラリアの国旗に酷似していることから、どちらの国の国旗なのかが見分けづらいという問題がありました。ニュージーランドでは国旗をより分かりやすいデザインに変更する是非を問う国民投票が2016年に実施予定で、世界中からさまざまなデザイン案が集まっています。

Could a kiwi with laser eyes be on the next New Zealand flag?

http://www.cnbc.com/2015/05/15/could-a-kiwi-with-laser-eyes-be-on-the-next-new-zealand-flag.html

現在のニュージーランド国旗は1902年に制定されたものですが、左上のユニオンジャックや星のデザインが隣国オーストラリアの国旗と似ていることから、ニュージーランド政府が2570万ニュージーランドドル(約23億円)の予算をかけて国旗の新デザインを公募しました。



なお、オーストラリアの国旗は以下のもの。



by Ian Fieggen

ニュージーランドの新国旗デザインの公募は2015年5月12日から始まり、開始3日で850以上のデザインが提出されたとのこと。デザイン案には、現行の国旗に使われている白・青・赤の3色をそのまま継承して、キーウィやシダ植物、マオリ族の芸術作品などのニュージーランド文化を加えたデザインが多く寄せられたそうです。

例えば以下のデザイン案は、現在の国旗に描かれている星やイギリス国旗をアレンジして、中央にシダの葉っぱを大きく描いたデザイン。



デザイン案は世界中の誰でも投稿可能だったので、例えばNyan Catにインスピレーションを受けた「Nyan Kiwis」というようなムチャクチャな案もあります。



「キーウィの目から放たれるレーザー光線でニュージーランドの力強さを表現した」という作品。



以下のデザインはマオリ族の文化の多様性を表しているとのこと。



オセアニア地方に生息するフエダイという魚と、ユニコーンの角をつけたキーウィのイラスト。



ニュージーランド中どこにでも存在する羊と、Hokey Pokeyのアイスを並べたデザイン。



物憂げな表情のキーウィの体に現在の国旗を描いたデザイン。



なお、デザイン案の公募は2015年7月16日で締め切られ、最終的に1万292個のデザインが集まったそうです。その中から国旗審議委員会によって最終候補が以下の4種類にしぼり込まれました。

シダの葉を斜めに配置し、白と黒を使って陰陽を表したデザイン。



現行の国旗からユニオンジャックを除いて、白いシダの葉を置いたデザイン。



白と黒の渦巻き模様で、シダの葉先や、波、雲、羊の角などニュージーランドの文化を表したもの。また、渦巻き模様はマオリ族の伝統的な模様でもあり、新しい命、成長、強さ、平和などを表すそうです。



2番目のデザイン候補の左上部分の背景色を、黒に置き換えたデザイン。



4種類の中から、2016年初頭に国民投票で1種類を選出することになっています。さらに2016年3月に「現行の国旗を継続して使うか、新デザインの国旗を採用するか」という最終投票を実施予定です。

The four alternatives | NZ Government

https://www.govt.nz/browse/engaging-with-government/the-nz-flag-your-chance-to-decide/the-four-alternatives/