U−22コスタリカ戦は岩波、植田、遠藤、中島を軸に新戦力との融合を狙う

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文=青山知雄

 来夏のリオデジャネイロ・オリンピックを目指すU−22日本代表が、1日にユアテックスタジアム仙台で行われるU−22コスタリカ代表戦を控えて前日練習を行った。

 今回は3月22日に行われたミャンマーとのアジア一次予選から約半数のメンバーを入れ替え。練習前に記者会見に臨んだ手倉森誠監督は、「最終予選まで競争があるという意思表示」とメンバー編成の理由を明らかにし、「川口尚紀(アルビレックス新潟)や喜田拓也(横浜F・マリノス)は一緒に活動して、たくましく成長しているという印象を受けた」とJリーグで出場を続け、自身の代表チームへ呼び戻したメンバーへの手応えも語っている。

 ただし、指揮官の胸中では中心選手へ寄せる信頼は厚いようだ。「チームのコンセプトは半分残した選手が伝えていくんだ」と選手間のコミュニケーションに期待を寄せた。さらに「この代表でずっとプレーしている選手たちが彼ら(新メンバーや復帰組)と組んだ時に、また新しい可能性を探るべくコミュニケーションを取ってほしい」としているだけに、コスタリカ戦のスタメンは、これまでの中軸選手と新しいメンバーの融合が見られそうだ。

 前日練習の内容から推測すると、フォーメーションはミャンマー戦と同じ4−2−3−1。スタメンはGK櫛引政敏(清水エスパルス)、最終ラインは右から川口、植田直通(鹿島アントラーズ)、岩波拓也(ヴィッセル神戸)、亀川諒史(アビスパ福岡)、ボランチが喜田、遠藤航(湘南ベルマーレ)、攻撃的MFが右から前田直輝(松本山雅FC)、中島翔哉(FC東京)、野津田岳人(サンフレッチェ広島)、1トップには浅野拓磨(広島)の起用が予想される。

 センターバックの植田と岩波、ボランチのキャプテン遠藤、攻撃的MFの背番号10中島は、指揮官が重用し続けるチームの大黒柱。中島は練習後の取材で「自分への期待は分かっている。プレーで違いを見せなければ」と中心選手としての自覚を明らかにしている。まずは彼らを軸にコンビネーションや新発見を探っていくことになりそうだ。

「最終予選、本大会に向けて戦い方を探る試合になる」とも話した手倉森監督。試合では「やりたいことができない時の柔軟性や割り切り、我々が高めようとしている部分でのコンビネーション、守備から攻撃への速さが通用するかにどんどんトライしていきたい。選手たちにはテーマとアイデアを与えつつ、サッカーをやるのは自分たちだと話した。そうなった時にはコミュニケーションが必要。これがしっかりと浸透すれば、日本が持つ武器はさらに増える。競争が激しくなることを願っています」とピッチ内での成長や修正力を求めながら、試合でのチェックポイントも明らかにした。

 手倉森監督が日本代表コーチを兼任することもあってか、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の練習メニューに近いトレーニングも取り入れていた。もともと縦へ速いサッカーを志向する指揮官だけに、ハリルホジッチ監督から新たな薫陶を受けて世界への思いを強めていることだろう。

 来年1月のアジア最終予選に向けた大事なテストマッチ。果たして選手たちはいかなる方向性を示し、新たな可能性を見せてくれるのだろうか。

 試合は1日(水)19時、ユアテックスタジアム仙台でキックオフを迎える。