NHKドラマ・ガイド「まれ」/NHK出版

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4月14日(火)の「まれ」(NHK月〜土 朝8時〜)第14話の最後で、第3週のタイトル「卒業ロールケーキ」の意味がわかりました。希(土屋太鳳)は北陸ロールケーキ甲子園に出ることを決意するんですね。

13話の終わりで、一子(清水富美加)がスカウトに騙されていた! と視聴者を心配させましたが、そこはそんなにドロドロ展開にはならず、一子は別の事務所に行くとまったくへこたれたところがありません。頼もしい。

一子も圭太(山崎賢人/崎、大じゃなくて立のほう)も同じように夢に一直線なのに、なぜ圭太にだけ蕁麻疹が出るのでしょう。
希は圭太を「日本一 日本一って 桃太郎け!」となじります。
意識し過ぎて、ひどいことを言ってしまうパターンですかね。

「桃太郎け!」から、小学校の図書館の記憶について揉める希と圭太。ちょっとずつ近づくけれど、雨の日の傘がぶつかり合って、先に進めない。希の言葉にいらだった圭太は、希の傘の縁に当たります。なんとももどかしいふたり。
背の高い圭太と小柄でおしりがまるっとしたひよこのような希との体型バランスも微笑ましい。土屋さん、トランジスタグラマー(死語?)なところに、お菓子作りしている子らしさを感じさせます。

14話には、この傘のシーンのほか、詩的な画面がいくつかありました。縁側で爪を切っている徹(大泉洋)の所在ないカラダ。寝たふりしている藍子(常盤貴子)の額の生え際にそっと触れる徹の指。言葉がなくても饒舌な大泉洋! 

圭太へのモヤモヤを払拭しようと、お菓子を作る希は、「1、2、3」「1、2、3」と一定のリズムを守りながら、几帳面にサイズを図ります。希はすでに揺るぎない美意識をもっているようです。女性ボーカル曲がかかり、とても神聖なシーンに見えました。

さて、画面も饒舌ですが、言葉も相変わらず鋭いです。
「人間的魅力のない漆職人や 
人の心をちゃ つかむ器を 作れる訳やねえ。
おやじも説得できねえ
女にも モテん男を
弟子には できんわいえ」
孫に手厳しいおじいちゃん・弥太郎(中村敦夫)の台詞はぐさり突き刺さりますが、美女をはべらしているところが複雑さを醸します。
この美女の勤務先はスナック「崖っぷち」というとんでもない名前なんですが、それよりも彼女の名前は「かなえ」で、夢を叶えるの「かなえ」だったら皮肉です。

【今日の小姑ツッコミ】
お菓子の材料費、けっこう贅沢品だと思うのですが、これみんな近隣の人にもらっているんでしょうか。バターとか加工品は買うよね、やっぱり・・・。希こそ金食い虫なんじゃ・・・。
(木俣冬)

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