NHKドラマ・ガイド「まれ」/NHK出版

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やっぱ、桶作文(田中裕子)強烈である。人間のしたたかさをユーモアを交えて体現します。
4月13日(月)から「まれ」(NHK月〜土 朝8時〜)、第3週「卒業ロールケーキ」がはじまりました。
第2週、12話で、圭太(山崎賢人/崎、大じゃなくて立のほう)に告白された希(土屋太鳳)。ふたりがつきあうかつきわないか、外浦村の住人は賭けをはじめ、文はその胴元になります(一番儲かる役割だから)。
圭太の熱い夢語りを聞いた希は、夢アレルギーが発症、蕁麻疹が出てしまい、そのまま圭太と距離を置いていたのですが、文は希の揺れる気持ちに背中を押そうとします。
「地道にこつこつがんばる夢もあるげぞ」
「夢ちゃもともとコツィコツ頑張るもんやがいね」
「理屈でものをちゃ考えるな」
 などといいことを言いますが、それが親切心からなのか、賭けを盛り上げたいからか判別つきません。おそらくどっちもあるのでしょう。それが正直な人間の気持ちなんだと思います。
希のことを面白がって酒を煽っているときの田中裕子の表情が実にいい。本当に楽しく酔っているみたいでした。
こういう人に育まれたら、希はきっととても大らかで魅力的になっていくでしょうね。
それにしても、第2週で、てっきり希は夢の違いを学んだと思ったのですが、
祭りの熱に浮かされていただけだったことが判明します。
「祭りっちゃ魔物が棲んどるげよ」とマキ(中川翔子)、
「祭りん時の
女の言葉をちゃ 鵜呑みにしたら駄目やわ」と蔵本浩一(篠井英介)。
海や雪山で会った人が素敵に見えるリゾラバ的なことですね。
浩一は妻・はる(鈴木砂羽)が一時の祭り熱で自分と結婚したことを後悔していることを知っている。それでも夫婦生活を続けているという人生の簡単でなさが朝から迫ってきます。篠崎絵里子(崎、大じゃなくて立のほう)の脚本、なんだか夜の匂いがします。
しかも、夢を追って頑張っていた一子(清水富美加)をスカウトした男が詐欺で捕まったニュースが!
希、まだまだ、夢に悩まされそうです。

ところで、藍子(常磐貴子)に徹(大泉洋)からの手紙を寺岡真人(塚地武雅)が届けにきたときの、トランペットの切ないBGMはなんでしょうか。へんに大仰な切ない曲でした。「まれ」の音楽、主張が激しくて、「花子とアン」でやたら登場した猫のSEみたいにやたらと耳に残ります。(木俣冬)

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