展示された写真やパネルを見ながら、拉致被害者の家族らと会話する石原都知事。12日、東京都新宿区の第一庁舎南展望室で。(撮影:佐藤学)

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東京都が主催する「拉致被害者、特定失踪者、救出運動」写真・パネル展が12日、東京都新宿区の都庁南展望室で始まった。拉致問題に対する理解と関心を深めてもらおうと、拉致被害者の家族や救出運動に関する写真・パネル約200点を展示している。18日まで。

 同写真・パネル展を視察した石原慎太郎都知事(74)は「国から拉致被害者として認定されていない都内で起きた事件に関して、都としてもう一度洗い直し、認定できる被害者については国に伝えたい。それが都の責任でもある」と決意を述べた。同展を見た感想について「写真の中の拉致被害者の両親と今日説明して頂いた現在の姿を比べて、時間の長さをしみじみと感じた」と語った。

 拉致費被害者の家族の一人、横田滋さんは「拉致被害者の家族の時間は写真の中で止まってしまっているが、生きているのであれば、その写真の続きを家族と一緒に続けたい」と思いを述べた。別の拉致被害者の家族である有本明弘さんは「長年の間、拉致事件の現実を話してきたが、政府もメディアも真剣に取り上げてくれなかった。今度の安部首相はこれまでの政治家とは違うようだ」と安部政権の対応に大きな期待を寄せている。

 同写真・パネル展は、◆拉致被害者は生きている◆被害者の思い出◆北朝鮮に拉致された人々◆救出運動の軌跡──の4部構成で展示。【了】

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