マッチポイントを奪われた状況から逆転で勝利した日本
 女子バレーボール、ワールドグランプリ岡山ラウンド初日が1日、桃太郎アリーナで行われ、柳本晶一監督率いる日本代表は、ドミニカにフルセットの末3−2(25−16、18−25、25−16、15−25、16−14)で勝利した。決勝ラウンド進出をかけ、3試合ぶりに大山を先発で復帰させるなど、“高さ”を武器に必勝態勢で臨んだ日本。幸先良く第1セットを先取するものの、その後は身体能力の高さを生かしたパワフルなドミニカバレーに苦戦。フルセットまでもつれ込んだ試合は、マッチポイントを握られた状況から4連続ポイントの大逆転で、激戦を制した。

 セットごとに主導権が行き交うシーソーゲームに決着をつけたのは、柳本監督が今年のテーマとして掲げた「−2(アンダー・ツー)」だった。ミスを減らし、終盤の競り合いに負けず、あと「2点」を取りに行くバレー。ドミニカ戦は、まさに「−2」バレー、そのものとなった。

 韓国ラウンドから先発を外れていた大山加奈が、3試合ぶりにスタメンに名を連ねた日本は、幸先良く第1セットを奪うものの、王者ブラジルとフルセットまで渡り合ったドミニカのパワフルなバレーに徐々に押され始める。

 今大会最多ブロックを誇るバルガスを中心としたドミニカの高さに捕まり、第2セットを奪われると、セットごとに主導権が行き交う展開となる。第3セットを取った日本だったが、ドミニカも第4セットを奪い返し、試合は最終セットへ突入。

 最終セット、日本が先に10点に到達するも、終盤まで1点を争う緊迫した展開。第4セットを奪い勢いに乗るドミニカは連続ポイントで14−12とマッチポイントを奪い、日本は土俵際まで追い詰められる。

 この窮地で選手たちは、柳本監督が今季のテーマとして掲げた「−2(アンダー・ツー)」を実践してみせる。1本も落とせない緊迫した状況から一気に日本が4ポイントを連取。16−14と大逆転で激闘を制した。昨年まで、終盤の競り合いに弱かった日本。それを打開すべく柳本監督が掲げた「−2」で日本が決勝ラウンド進出を、ぐっと手繰り寄せた。

【試合結果】
日本 3−2 ドミニカ
(25−16、18−25、25−16、15−25、16−14)
【日本・先発メンバー】
竹下佳江、木村沙織、大山加奈、高橋みゆき、荒木絵里香、杉山祥子 (リベロ:菅山かおる)
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