23日、東京高裁の決定を受けて、東京・港区で記者会見したライブドアの堀江貴文社長の一問一答は次の通り。


つめかけた記者団を前に会見するライブドア・堀江貴文社長(撮影:吉川忠行)
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―東京高裁の決定は、今後どう影響していくのか。

 「現状のところ我々の方で申し上げられない。これまで通り淡々と進めていく」

―今後ニッポン放送に何人の取締役を入れる予定か。また、経営に関して何をする予定か。

 「ニッポン放送と協議を進めて、相談の上で決めさせていただきたい。大株主ということで、ある程度経営にも参画させていただきたいと思う。従業員、取引先と一緒になって、企業価値を高めていく努力をしていきたい」

 「報道されているような、心配されるようなことを我々は一切するつもりはなく、従業員の皆さんを全力で幸せにするつもり」

 「我々は放送業界は素人なので、こちらのほうから教えを請い、教わる部分は教わって、価値を提供できる部分は提供して、さらに活気にあふれたニッポン放送を作っていきたい。具体的に役員をどうこうということは、現状で発表できる状況ではない。まずはお話しをさせていただきたいと思う」

―フジテレビ株を買い増すか。また、フジテレビグループ全体との提携を申し入れているが、同グループは提携しないと言っている。提携できなければどうするか。

 「フジテレビ株の買い増しは、現在のところ考えていない。フジテレビとは役員レベルで、具体的な内容は明かせないが、提携の協議を進めており、こちらの結果次第となってくると思う。以前は一切協議できなかったが、現在は協議できているので、一歩前進したのではないか。ニッポン放送株を過半数近く取得しただけにとどまらず、ニッポン放送が所有している22.5%のフジテレビジョン株を生かすためには、友好的な提携が欠かせないと判断しているので、積極的に協議を進めていきたい」

 「亀渕社長も含めて、現状の役員の方も、ある程度は続投していただきたい。我々は放送事業に関しては素人同然なので、オペレーションを我々だけでできるとは思っていない。ぜひ力を貸していただきたい」

―ニッポン放送の経営権を取ったことで、今あらためてやりたいことは何か。

 「ニッポン放送は音声メディアに対してノウハウと経験を持っていらっしゃるので、インターネットとの上手い連携を考えていきたい。ネットラジオ的なことやコンテンツなどの流通も進めていきたい」

―ニッポン放送の亀渕社長が、「堀江社長はずるい」と言っているが。

 「誠意を尽くして、理解していただくよう努力していきたい。一度しかお会いしたことがないので、何回もお話させていただいて、そういう誤解も解けていくのではないか」

―既存のジャーナリズムは不要と言ったと伝えられているが。

 「既存のジャーナリズムは不要だということを言った覚えは無いが、その言葉だけがひとり歩きをしている。あり方に対して疑問や懸念を抱いているところはあるが、100%いらないと言ったつもりはない」

―ニッポン放送とライブドアの株主へメッセージを。

 「普段より株主の皆様に最大限利益を提供できるよう頑張って事業を行っている。当然、大きなリターンを得るためにはある程度リスクをとらなければいけないのも経営なので、これまでの我々の実績を勘案のうえ、我々経営陣をこれまでどおり応援していただければと思う。我々もその応援に答えて結果を出したい」

―ニッポン放送は株主のものか、リスナーのものか、どう考えているか。

 「資本市場的に言うと間違いなく株主のものだが、心の所有者はまた別だと思う。リスナーの方々、従業員の方々は自分たちのものだと思っておられると思う。経営とそれ以外の部分、株主のオーナーシップとそれ以外の部分の分離、そこの部分で誤解が生まれている。我々は法的な部分での黒子であって、心が豊かになるようなお手伝いをしたいと思っている」【了】