年末年始にはアジアカップに出場するA代表のトレーニングパートナーに選ばれた。当初は国内だけの予定が、オーストラリアにも帯同し、練習試合では当時のハビエル・アギーレ監督を唸らせるプレーも見せた。
 
「自分のプレーを知ってもらえたのは、大きかったです。短い期間でしたけど、勉強になりました。自分の能力が通用する部分もあって自信になったし、周りはみんな上手くて動けばパスが出てくるから、いかにフリーになれるか、すごく考えてやりました」
 
 自分の技術には自信がある。あとはそれを、いつ、どこで発揮するか――。だから、今のテーマは頭の中を鍛えることだ。
 
「まずは凝り固まった頭を柔軟にしないといけない。どこでドリブルするのか、どのコースを取るのか、今は判断を誤ることが多い。頭を使えるようになれば、人と違う発想も生きてくるし、シュートも入るようになる。だから能力を高めつつ、頭も鍛えています」
 
 U-23シンガポール代表戦では2得点・1アシストと、さっそく課題に取り組んできた成果を見せた。3月27日からマレーシアで開幕するリオデジャネイロ五輪のアジア1次予選でも、小柄なナンバー10が日本の攻撃を躍動させる。
 
取材・文:飯尾篤史(スポーツライター)