11月に開催される『2014 SUZUKI 日米野球』の詳細が発表された。侍ジャパンは12球団合同の経営会社を立ち上げたように、日本野球機構(NPB)の新たな収入源として大きな期待が寄せられている。その“目玉商品”が日米野球である。
 「アメリカ選抜チームをどうやって本気にさせるかが重要なテーマとなりました」(NPB関係者)

 投手に球数制限を設けること、タイブレーク(延長十回以降は無死一、二塁から攻撃をスタート)を導入することを決めたのも、その一環だという。しかし、こんなことでアメリカチームは本気になるのだろうか。
 「米国の投手の大半は『肩は消耗品。オフに投げたくない』と考えている。制限を設けたから参加してくれというメッセージを込めたのだろう」(ベテラン記者)

 過去の日米野球を思い出してみると、米国チームは家族連れで来日し、観光を楽しんでいた。タイブレーク制になったのも、「早く試合を終わらせてやろう」という、家族に向けたサービスでもあるようだ。
 「米国側の会見出席者は“WBCで2回優勝している日本”への敬意を口にしていましたが、リップサービスにすぎません。米国側を臨戦態勢の本気モードにさせる苦労はわかっているはず。米国は野球を含む4大スポーツが季節ごとに上手にすみ分けし、野球選手は『ワールドシリーズが終わったらオフ』と認識しています。若手中心の米チームを編成するとしても、有望な人材はプエルトリコのウインターリーグに派遣されてしまう…。帰還を恐れ、黒田、田中、ダルビッシュも派遣してくれないでしょう」(前出・記者)

 NPB側も米国側の本心はわかっているという。今年は小久保ジャパンの初陣なので米国選抜にこだわったが、興行面での最良のパートナーは台湾、韓国、豪州である。ただ、NPB側には「格下の国とやっても盛り上がらない」との不安があり、手抜きモードに入っていても構わないから米国選抜の方が商売になると判断したようだ。
 ファンは納得できるか?