カージナルス戦でメジャー初セーブ

 24日のカージナルス戦で9回から投げ、メジャー初セーブを挙げたメッツの松坂大輔投手のクローザーとしての登板を地元メディアが衝撃とともに伝えている。ESPNは「驚愕! Dice-Kがカージナルス戦を締めくくる」と大見出しで報じた。スプリングキャンプ中に先発ローテーション入りを争っていた松坂だが、本格的にクローザーで起用される可能性が高まっている。

「テリー・コリンズはふざけているわけではなかった。ダイスケ マツザカがメッツのリリーフ投手になることについて、“間違いない”と監督が示唆したときは、ファンは笑ったかもしれない。ライバルチームのスカウトや幹部はこのアイデアを嘲笑したかもしれないが、コリンズは真剣だった。木曜日の午後、9回に松坂にボールを託し、彼のメジャー初セーブとメッツの4−1勝利を見守った」

 記事ではこう記されている。

 松坂は9回表に登板。15球中ストライクは9球。1奪三振を含む3者凡退でゲームを締めたが、クローザーでの起用は松坂自身にも事前に伝えられていなかったという。

「私はあのシチュエーションで彼を投入したかった。彼には(クローザーに)慣れてもらいたい。どう状況を対処するか見たかったが、彼はうまくやってくれた」

 コリンズ監督は8日前までマイナーリーグで本職の先発を務めていた松坂のピッチングと、メジャー初のセーブを称えた。メッツの守護神は38歳のベテラン右腕、カイル・ファーンズワースだが、試合前の時点で4日で3試合に登板し、休養が必要だったという。

今後もクローザーとしての起用を示唆

 別のESPNの記事で指揮官は、「もしも、彼が試合の終盤に投げるとすれば、8回か9回あたりになる。彼が5回、8時15分あたりで消耗しているのは見たくない。彼にはセーブのようなものを与えたい」と説明し、松坂をファーンズワースと併用し、クローザーとしての継続起用を示唆している。

 9回にブルペンから松坂が登場したことに驚いたというアンソニー・レッカー捕手は打者3人に投げた15球において5種類のボールを要求したという。松坂には合計6つの球種があり、数少ない球種で勝負する典型的なクローザーとは一線を画している。

「打者に対する彼の最大のアドバンテージはどの球が来るのか予想できないこと。秘密兵器になるし、相手を追い込むこともできる」

 レッカーはそうコメントしている。

 松坂のメジャーでの今季登板4試合はすべてブルペンから。通算防御率1.69という数字も素晴らしい。スプリングキャンプ後に命じられたマイナー行きの挫折を見事乗り越えたDice-Kはクローザーとして大輪の花を咲かせるかもしれない。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count