中国大手検索サイト百度の掲示板に「日本はなぜ中国によるレーダー照射の証拠を公開しないのか」というスレッドが立てられた。スレ主の疑問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

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 中国艦艇が日本護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した問題について、中国側は「日本によるねつ造」と主張し、照射の事実を否定している。レーダー照射については、米国務省のヌランド報道官は11日の記者会見で、「実際にあったようだと確信している」と述べ、日本を支持する姿勢を示した。

 小野寺防衛相は証拠を公開する可能性を示唆しつつも、「各種証拠を公開したとしても、中国が承認しなければ日本の国家利益にはならない」と発言。今後の中国側の態度を観察して証拠を公開するかどうか決定する姿勢を示した。

 スレ主は小野寺防衛相の発言に対し、「なぜさっさと公開しないのか」と質問したところ、次のようなコメントが寄せられた。

・「スレ主は中国が照射したとなぜ分かる? 中国政府が照射していないと言ったらしていないのだ」・「なぜならわれわれはレーダー照射などしていないからだ」・「中国は照射などしていない。ただ中国に圧力を加えるために言っているだけだ」

 このように、中国政府が射撃用管制レーダー照射を否定しているため、中国政府の主張を信じこむユーザーが多く見られた。ほかにも「たぶん証拠なんてないんだろうな」、「何を恐れている。証拠があるなら出してみろ」、「偽の証拠を造るのにも時間がかかりますからね」などのコメントもあり、中国政府の発表を信じる中国人は多いようだ。

 しかし、逆の意見もあり「周りの大人たちの物事の扱い方を見ると、オレはわが国が嘘(うそ)をついているように思える」というユーザーもいた。また、レーダー照射があったという前提で「証拠を出したら、自衛隊の偵察周波数が明らかになり、作戦上不利になるからだ」というコメントもあった。

 また、「公開するか否かにかかわらず、日本は世論において優勢に立った。さらに証拠を公開されたら中国当局のメンツが立たなくなる」という主張もあった。(編集担当:畠山栄)